著者
三宅 定明 吉田 栄充 野本 かほる 浦辺 研一 柴田 穣 髙野 真理子 杉山 英男
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.563-569, 2015-09-15 (Released:2015-09-29)
参考文献数
15

埼玉県住民の食品からの放射性物質の摂取量及び内部被ばく線量を推定するため,日常食(陰膳食)の放射能調査を実施した。134Cs及び137Csの平均値は,2011年度は0.43及び0.48Bq/人・日,2012年度は0.065及び0.15Bq/人・日であった。成人の預託実効線量は,2011年度は5.5μSv,2012年度は1.1μSvであった。2011年度の値は,福島第一原子力発電所事故以前の値と比べると,約80倍高い値であったが,一般公衆の線量限度1mSv/年の1%以下であった。
著者
堀江 正一 吉田 栄充 石井 里枝 小林 進 中澤 裕之
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.579-587, 1999-06-05
被引用文献数
20 39

高速液体クロマトグラフ/質量分析計(LC/MS)を用いた缶飲料中のビスフェノールA(BPA)の簡易かつ迅速な定量法を検討した. BPAは構造中にフェノール性の水酸基を有する弱酸性の化合物であることから, イオン化モードにはネガティブモードを採用した. LC条件は, カラムにZorbax XDB-C18 (150×2.1mm,i.d.), 移動相には0.01%酢酸-アセトニトリル(60:40)を用い, 流量は毎分0.2mlとした. 検出にはBPAの擬分子イオン[M-H]^-m/z227を用いた. 試料の前処理法は同相抽出法を採用し, カートリッジには無極性相, 陽イオン交換相及び陰イオン交換相が混合充填されたIsolute Multimodeカートリッジ(500mg)を用いた. 本法におけるコーヒー, 紅茶, 果実飲料などに対する添加回収率は5及び50ppbの添加で85%以上, 検出限界はコーヒー飲料を除き0.5ppbであった.
著者
吉田 栄充 三宅 定明 浦辺 研一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.831-836, 2009-12-15
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

γ線スペクトロメトリーを用いて,埼玉県内に流通しているハーブティーの放射能調査(<SUP>134</SUP>Cs,<SUP>137</SUP>Cs及び<SUP>40</SUP>K)を行った。<SUP>134</SUP>Csは49検体全て不検出であったが,<SUP>137</SUP>Csは10検体から検出され(2.1~240Bq/kg乾),それらは全てヨーロッパ産であった。また,<SUP>40</SUP>Kは全検体から99.9~1400Bq/kg乾検出された。<BR><SUP>137</SUP>Csについては,アイブライトでポーランド産とブルガリア産で大きく濃度が異なり,明らかな地域差が見られた。また今回の調査により,成人が1年間ハーブティーを1日1杯ずつ飲み続けたときの<SUP>137</SUP>Csの預託実効線量を求めると約1.0×10<SUP>-3</SUP>mSvとなり,通常のハーブティーの摂取においては,<SUP>137</SUP>Csの被ばく線量の寄与は非常に少ないものと考えられた。
著者
高瀬 冴子 坂田 脩 長島 典夫 吉田 栄充 三宅 定明 石井 里枝
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.301-306, 2017-08-15 (Released:2017-08-15)
参考文献数
15

福島第一原発事故以降,食品の放射能汚染が懸念されていることから,γ線スペクトロメトリーを用いて,日本に流通する梅加工食品100検体(2015年から2016年に購入)の放射能調査(134Cs及び137Cs)を実施した。134Csは6検体から検出され(0.82~12 Bq/kg),137Csは40検体から検出された(0.65~69 Bq/kg)。最も放射能濃度が高かった検体は梅エキスであり,134Csと137Csの和は81 Bq/kgであった。この濃度は一般食品の規格基準値の5分の4程度であった。放射性セシウムが検出された梅加工食品を1年間摂取した場合の成人の預託実効線量は最大で約1.7 μSvであった。
著者
髙橋 良平 今井 浩一 菅井 沙知 吉田 栄充 中村 益美 浜野 晋一郎 岩﨑 文男
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.741-750, 2012-12-10 (Released:2013-12-10)
参考文献数
28
被引用文献数
1

We evaluated ARCHITECT®・iCarbamazepine using chemiluminescent immunoassay (CLIA) with carbamazepine (CBZ) concentration in the serum of patients with epilepsy. The intra- and inter-assay coefficients of variation were 0.87-1.34% and 2.20-6.06%, respectively. Cross-reactivity of CBZ analogs by CLIA varied from 7.00-9.26% with carbamazepine-10,11-epoxide lower than that evaluated by fluorescence polarization immunoassay (FPIA), and 2.09-2.51% with 10-monohydroxycarbazepine higher than that evaluated by FPIA. Oxcarbazepine was not detected. In addition, we observed a correlation between the values obtained by CLIA method and the high performance liquid chromatography (HPLC) method (y = 1.07x - 0.09, r = 0.98), and FPIA method and HPLC method (y = 0.95x - 0.22, r = 0.97). Our results suggest that ARCHITECT®・iCarbamazepine measured the CBZ concentration in serum lower than that measured by FPIA. However we conclude that ARCHITECT®・iCarbamazepine can be used for routine monitoring of CBZ for the reason that ARCHITECT®・iCarbamazepine showed low cross-reactivity with CBZE by classification of CBZE/CBZ ratio.
著者
三宅 定明 吉田 栄充 高橋 邦彦 飯島 正雄 浦辺 研一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.471-475, 2010 (Released:2010-08-27)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

γ線スペクトロメトリを用いて,日本に流通している健康食品(サプリメント)73検体の放射能調査(134Cs,137Cs及び40K)を実施した。134Csは全て不検出であった。137Csは9検体から検出され(2.3~190Bq/kg),キノコやブルーベリーなど137Cs濃度が高いと考えられる原材料を使用したサプリメントは,137Cs濃度が高い傾向があることがわかった。また40Kは56検体から検出された(17.6~11600Bq/kg)。137Csが検出されたサプリメントを1年間摂取した時の成人における137Csの預託実効線量は約2.9μSvであった。