著者
新垣 智也 末廣 豊 平口 雪子 玄 茉梨 吉野 翔子 熊谷 雄介 海老島 優子 大和 謙二 尾辻 健太 近藤 康人
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.1240-1243, 2017

<p>症例は10歳女児で既往に鶏卵アレルギーがあった.4歳時,鍋料理のエノキタケを摂取後に口腔内の痒みを訴え,以降はエノキタケを摂取していなかった.10歳時に学校給食でエノキタケの入ったすまし汁の汁のみを飲んだところ,口腔内の違和感と痒みが出現し20分間程度持続した.精査のために当科で実施したprick to prick testではエノキタケの生,加熱,茹で汁がいずれも陽性であった.</p><p>患者血清を用いてアレルゲンの同定を試みた.western blottingを行ったところ,75kDaで特異的な反応がみられ,本症例のアレルゲンと考えられた.</p><p>過去に報告のあったエノキタケアレルギーとは症状の程度,他のキノコ類への感作,抗原のタンパク質分子量などで違いがあり,新規のアレルゲンが関与しているものと推定された.</p>