著者
安永 遼真 熊谷 雄介 道本 龍
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2P4GS1002, 2022 (Released:2022-07-11)

マーケティング・サイエンスは,科学的な手法を用いてマー ケティングにおける意思決定の質を向上させる取り組みである.マーケティング・サイエンスは,個人単位のデータ(個票) に対する分析と,個票を集計したデータに対する分析とに大別できるが,近年は個票データを用いた手法が特に盛んに研究されてきた.しかし,プライバシー保護の潮流や技術規制に伴い,個票データの収集や分析に対する障壁が高くなりつつある.そのため,集計データのみからマーケティング活動に対する示唆を得られるMarketing Mix Modeling (MMM) に注目が集まっている.MMMは,広告の投対効果を把握し,予算配分を最適化するために用いられる市場反応分析手法の一種である.MMMは1960 年代に提案された問題設定だが,これまで産業界では調査会社や広告会社が独自に構築・提供しており,詳細な技術仕様は各社の独自ノウハウとなっていた.しかし,近年,産業界から論文やオープンソースの実装が多数公開され,新たな潮流が生まれつつある.本論文ではこれをMMMの「再発見」と捉え,その経緯と研究動向,課題について論じる.
著者
板倉 陽一郎 熊谷 雄介 猪谷 誠一
出版者
情報法制学会
雑誌
情報法制研究 (ISSN:24330264)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.110-120, 2022 (Released:2022-08-28)

The Contract Guidelines on Utilization of AI and Data by METI assume that appropriate negotiations are conducted in advance between the parties concerned regarding the licensing of data, etc. that do not fall under the category of copyrighted works. However, in practice, OSS licenses are often used to distribute training datasets and trained models that are not copyrighted works. It is understood that a license using an OSS license is valid when it is not immediately clear whether the object of the license is a copyrighted work. It is reasonable to interpret “use” in the license terms as equivalent to the “use” under the Copyright Act, even for data that is not a copyrighted work. The issues of commercial and for-profit use and so-called ShareAlike can also be considered on the premise of such an interpretation. It may be necessary to discuss the clause concerning the distribution of data that does not fall under the category of copyrighted works in an international data protection forum.
著者
熊谷 雄介 板倉 陽一郎 見並 良治 猪谷 誠一 道本 龍
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2D3OS7a01, 2021 (Released:2021-06-14)

さまざまな大規模データセットが企業や大学によって公開され,それらを用いた研究や開発が行われている.また,深層学習フレームワークの発展によってデータセットのみならず学習済み統計モデルも広く公開され,利活用が進んでいる.それらの資源には多くの場合さまざまなライセンスが指定されているが,一般の研究者がそれを意識することはまれである.しかし,データセットや学習済み統計モデルを用いた商用システムやソリューションの開発を行う際には,どの用途であればライセンス違反になるのか,またはならないのかを十分に検討しなければならないが,既存研究においては明らかにされておらず,各社の判断において行われているのが現状である.そこで本研究では,データセットと学習済み統計モデルを用いた研究やビジネスのより安心・安全な実現を手助けするために (1) 代表的なデータセットや学習済み統計モデルのライセンスを確認し,(2) データセットや学習済み統計モデルのユースケースを列挙し, (3) ライセンスとユースケースの組み合わせについて何が可能で何が不可能か,の3点を検討した.
著者
新垣 智也 末廣 豊 平口 雪子 玄 茉梨 吉野 翔子 熊谷 雄介 海老島 優子 大和 謙二 尾辻 健太 近藤 康人
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.1240-1243, 2017

<p>症例は10歳女児で既往に鶏卵アレルギーがあった.4歳時,鍋料理のエノキタケを摂取後に口腔内の痒みを訴え,以降はエノキタケを摂取していなかった.10歳時に学校給食でエノキタケの入ったすまし汁の汁のみを飲んだところ,口腔内の違和感と痒みが出現し20分間程度持続した.精査のために当科で実施したprick to prick testではエノキタケの生,加熱,茹で汁がいずれも陽性であった.</p><p>患者血清を用いてアレルゲンの同定を試みた.western blottingを行ったところ,75kDaで特異的な反応がみられ,本症例のアレルゲンと考えられた.</p><p>過去に報告のあったエノキタケアレルギーとは症状の程度,他のキノコ類への感作,抗原のタンパク質分子量などで違いがあり,新規のアレルゲンが関与しているものと推定された.</p>