- 著者
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呉 承彦
安倍 広多
石橋 勇人
松浦 敏雄
- 出版者
- The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
- 巻号頁・発行日
- vol.J97-B, no.10, pp.849-860, 2014-10-01
構造化P2Pネットワークでは,各ノードが保持する経路表を用いてルーティングを行い宛先ノードに到達する.既存の多くの構造化P2Pネットワークでは,経路長はノード数nに対してO(logk n)であるが,対数の底kはP2Pネットワークの運用中に変更できるものは知られていない.本論文では,構造化P2Pネットワークの一つであるChord#の経路表(finger table)を拡張することでkの値を動的に変更可能な経路表構築手法を提案する.また,拡張したfinger tableを用いて,最大経路長が指定した任意の値を上回らないようにする方式(経路長優先方式)と,経路表サイズを指定した任意の値とする方式(経路表サイズ優先方式)を実現した.これらの方式により,定数ホップ及び対数ホップルーティングが可能である.提案手法の有効性はシミュレーションにより確認した.