著者
和栗 隆史
出版者
一般社団法人 日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.21-28, 2022 (Released:2023-06-23)
参考文献数
25

全国各地で宿坊開設の動きがあり、コロナ禍でも継続している。歴史的に宿坊は、土地と建物を所有する寺院が宗教活動の一環として参詣者に宿泊の供給を行ってきたが、近年の新しい宿坊にはこれまでとは異なる経営形態が生じていると推測される。本研究は、近年開業した施設ならびに観光庁が推進している「寺泊」事業が支援している施設に着目し、新しい宿坊の事業主体と経営形態に焦点を当てその特徴と役割を整理した。その結果、ホテル経営において所有と経営・運営の機能分化が生じていることが知られているように、宿坊においても、多様な外部アクターが参画し、経営形態の多層化と機能分化が生じていることが確認された。
著者
和栗 隆史
出版者
文化経済学会〈日本〉
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.33-41, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
15

歴史的に寺院は、建築・美術・工芸ほか幅広いジャンルにおいて文化創造の場として、また地域社会のハブとして機能してきた。本稿は、そうした寺院の宿坊をレジデンスとするアーティスト・イン・レジデンス(Artist-in-Residence、以下AIR)の先駆的な事例について調査分析する。レジデンスの“場”のダイナミクスや地域社会で果たす役割と影響の解明など、AIRに関する学術的・実践的発展に寄与すべく速報するものである。