著者
熊沢 賢二 和田 善行 増田 秀樹
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.266-273, 2007-06-15 (Released:2007-10-04)
参考文献数
18
被引用文献数
7 6

カンキツ(グレープフルーツ,オレンジ)果汁の香気寄与成分および加熱による香気変化に関与する成分の特性を検討し,以下の結果を得た.(1)AEDAによりカンキツ果汁の香気に寄与する41ピークを見出し,GC-MSおよびGC-Oにおける保持指標の比較により33成分を同定した.これらの成分の中でカンキツ果汁より初めてcis-4,5-epoxy-(E)-2-decenalを同定した.(2)FD-factorの比較から,各々のカンキツ果汁を特徴づける成分を明らかにした.また,加熱による香気変化の原因物質はいずれの果汁にも共通することを見出し,さらに,加熱による香気変化は減少する成分よりも増加する成分がより重要であることを推定した.(3)加熱によるカンキツ果汁の香気変化は,その大部分を加熱により増加した6成分にて説明することが可能であり,それらの中で2-methyl-3-furanthiolが最も重要な成分であることを明らかにした.さらに,この成分の重要性はいずれの果汁にも共通することを明らかにした.
著者
和田 善行 池上 聡子 石川 定 降矢 芳子 川平 和美
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.569-574, 2019 (Released:2019-10-28)
参考文献数
16
被引用文献数
2

〔目的〕促通反復療法(Repetitive Facilitative Exercise:RFE)の痙縮減弱効果を検討すること.〔対象と方法〕慢性期脳卒中片麻痺患者30名に対して促通反復療法を中核とする治療(50回ずつ3セット,ADL練習,他:計100分)を週7回の頻度で4週間実施した.痙縮の評価にmodified Ashworth scaleを用い,麻痺肢の15関節運動について初回のRFEの前後,翌日のRFE前,4週間のRFE終了日のRFE前に実施し,RFEの痙縮減弱効果を検討した.〔結果〕RFEの痙縮減弱効果は即時効果と4週間の蓄積効果の全ての関節運動において有意であった.〔結語〕RFEは多くの痙縮筋への痙縮減弱の効果を有する.