著者
和田 英穂
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅大学研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
no.46, pp.43-57, 2014-03-31

本論はBC級戦犯裁判において多数の有罪判決を出した憲兵のケースについて,中国国民政府の戦犯裁判を中心に考察したものである。本論は戦犯裁判の事例研究でもあり,また戦犯裁判の内容から新しい史実を掘り起こす試みでもある。憲兵の様々なケースから,中国人弁護士から警告されるほど杜撰な裁判があった一方で,当時中国における憲兵が中国人にいかに恨まれる存在であったかを憲兵自身が認めるなど,憲兵の実態を垣間見ることができる。
著者
和田 英穂
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅学園研究紀要編集委員会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:18816290)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.59-71, 2018-07-25

本論は中国における対日戦後処理中の台湾人処理方法と台湾における対日戦犯裁判および接収中に発生した台湾人による日本人殺人事件を事例とし,台湾における戦後処理の問題点を考察した。台湾における戦後処理は,対日戦後処理と並行して,対台湾人処理という困難な問題が存在していた。終戦直後から祖国中国に返還されるも「日本人」として戦争責任が負わされ,また一方では日本の不当な弾圧を受けていた台湾人民主派たちの祖国による日本に対する正当な処理への期待は失望へと変わってしまった。こうした「棄民」状況に陥っていた当時の台湾における戦後処理の状況はいまだ未解明の部分が少なくない。