- 著者
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津田 朗子
木村 留美子
水野 真希
喜多 亜希子
- 出版者
- 金沢大学つるま保健学会 = Tsuruma Health Science Society, Kanazawa University
- 雑誌
- 金沢大学つるま保健学会誌 (ISSN:13468502)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.1, pp.73-79, 2015
本研究は、小中学生のインターネット使用状況とそれに対する親の把握状況、親子間の使 用に対する認識の違いを調査した。対象は1 自治体の全小中学校に通う小学4 ~ 6 年生849 名、 中学1 ~ 3 年生896 名とその保護者であり、自記式質問紙調査を実施した。 その結果、インターネット使用率は小学生70.8%、中学生84.4%で、使用時間は学年が上 がるほど長くなっていた。使用機器は家族のパソコンが最も多かったが、中学生ではiPod touch、自分のパソコン、自分のスマートフォンを使う者、複数の機器を用いている者が多く、 使用目的も多様であった。また、その傾向は女子の方が強くSNS の利用も多かった。SNS 利用者の約半数は、SNS を通じて他者と個人的に関わった経験があり、不快な体験をした者 もいた。しかし、小学生と中学1 年生では、子どものオンラインゲーム使用の有無において 親と子どもの回答割合に差がみられ、親は子どものインターネットの使用目的を正確に把握 できていなかった。また、使用ルールに関しても親子間で認識の相違がみられ、その傾向は 子どもの学年が上がるほど顕著であった。 また、インターネットのフィルタリング機能の利用率は、携帯電話に比べ低かった。