著者
打出 喜義 杵淵 恵美子 水野 真希
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

日本では「掻爬」(D & C)法が主流とされながら、その実態は不明であった。我々は日本の中絶実態を明らかにするため、産婦人科医および看護者を対象に調査を実施した。その結果、D & Cが今でも最も使われている方法であること、WHOが標準的だとする2つの初期中絶法(吸引と薬物)のいずれも、日本ではあまり使われていないこと等が初めて明らかになった。より安全で信頼のおける医療を提供するため、知識を広め認識を改める必要がある。
著者
津田 朗子 木村 留美子 水野 真希
出版者
金沢大学つるま保健学会 = Tsuruma Health Science Society, Kanazawa University
雑誌
金沢大学つるま保健学会誌 = Journal of the Tsuruma Health Science Society, Kanazawa University (ISSN:13468502)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.81-86, 2015-07-28

本研究は、小中学生のインターネット使用状況から、その依存傾向と生活習慣を調査した。 対象は1 自治体の全小中学校に通う小学4 ~ 6 年生849 名、中学1 ~ 3 年生896 名で、自記 式質問紙調査を実施した。 その結果、インターネットに「依存傾向」の子どもは小学生7.5%、中学生22.0%、全体 で15.9%にみられ、その割合は中学2 年生、中学3 年生に高く、また女子に高かった。依存 傾向の者は、インターネットを使用する時間が長く、複数の機器を使用している者、持ち運 び可能な機器を使用している者、自分専用の機器を所持している者、使用目的が多岐にわた る者、使用の際のルールがない者に多かった。 依存傾向者は、依存のない者やインターネットを使用しない者に比べ、就寝時刻が遅かっ た。また、小学生では学習時間が短く、中学生では運動時間が短く、インターネットへの依 存傾向が生活習慣に影響を及ぼしていることが示唆された。
著者
水野 真希
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.294-301, 2016

本研究の目的は,人工妊娠中絶ケアに携わる看護者を対象に,中絶ケア体験により生じたトラウマによる心理的反応とその関連要因について明らかにすることを目的とした.2011年10月〜2012年1月に,人工妊娠中絶を実施している医療機関に勤務する202名の看護者を対象に,個人属性,中絶ケアを負担と感じる要因,そして中絶ケア体験から生じたトラウマによる心理的反応を測定するため改訂版出来事インパクト尺度を用いて無記名自記式質問紙による調査を実施した.重回帰分析の結果,中絶ケアに携わる看護者の心理的反応(改訂版出来事インパクト尺度)と有意に関連が見られたのは,「生きる可能性のある胎児が中絶されること」,「ケア中の感情コントロールの困難さ」そして「中絶された胎児に触れなければならないこと」であり,分散の24%が説明された.また31名(15.3%)が心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)ハイリスク群に分類された.看護者の業務に対する意思を尊重し,業務を変更するなどの配慮をすると同時に看護者への支援体制を構築することが,ケアの質向上につながることが示唆された.
著者
津田 朗子 木村 留美子 水野 真希 喜多 亜希子
出版者
金沢大学つるま保健学会 = Tsuruma Health Science Society, Kanazawa University
雑誌
金沢大学つるま保健学会誌 (ISSN:13468502)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.73-79, 2015

本研究は、小中学生のインターネット使用状況とそれに対する親の把握状況、親子間の使 用に対する認識の違いを調査した。対象は1 自治体の全小中学校に通う小学4 ~ 6 年生849 名、 中学1 ~ 3 年生896 名とその保護者であり、自記式質問紙調査を実施した。 その結果、インターネット使用率は小学生70.8%、中学生84.4%で、使用時間は学年が上 がるほど長くなっていた。使用機器は家族のパソコンが最も多かったが、中学生ではiPod touch、自分のパソコン、自分のスマートフォンを使う者、複数の機器を用いている者が多く、 使用目的も多様であった。また、その傾向は女子の方が強くSNS の利用も多かった。SNS 利用者の約半数は、SNS を通じて他者と個人的に関わった経験があり、不快な体験をした者 もいた。しかし、小学生と中学1 年生では、子どものオンラインゲーム使用の有無において 親と子どもの回答割合に差がみられ、親は子どものインターネットの使用目的を正確に把握 できていなかった。また、使用ルールに関しても親子間で認識の相違がみられ、その傾向は 子どもの学年が上がるほど顕著であった。 また、インターネットのフィルタリング機能の利用率は、携帯電話に比べ低かった。