著者
喜多 大輔 東 壮太郎 川北 慎一郎 折笠 秀樹
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.355-361, 2019

<p><b>要旨</b>:【背景】石川県能登地区(人口21.1 万人)での脳卒中パスの登録病型と再登録パターンについて検討した.【結果】2008–2014 年の6 年間に4,179 件(男2,216,女性1,963,平均75.4 歳)の登録があった.病型別では,脳梗塞2,945,脳出血854,くも膜下出血283,その他・不明97 件であった.人口10 万人あたりの年間パス登録率は,男性369.5 人,女性293.7 人と国内の脳卒中発症率に近似していた.197 人で複数回登録があり,再登録率は1.39%/人・年(95% CI:1.20–1.58)であった.初回–2 回目の登録では,脳梗塞─脳梗塞は91%であったが,脳出血─脳出血は31%で,一致度は低かった.【結論】脳卒中発症を網羅するものではないが,パス登録結果の解析により地域での診療体制に有用な情報が得られる.また脳卒中の多くが,初回病型にかかわらず脳梗塞で再登録されることが示唆された.</p>