著者
六田 暉朗 福井 康雄 都築 英雄 谷田 信行 杉本 友則 三木 啓司 喜多 青三
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.763-766, 1994

上腹部並びに, 下腹部手術の手術野確保のための既報のOuter Retractor Holderを改良した. 本器は鉤把持器と支持棒から成っている. 鉤把持器は, 通常の筋鉤を手術野を覆う清潔布を介して把持し, 支持棒は手術台に自在固定器により固定されている.<br>改良点の一つは, 鉤把持器で鉤を把持しやすくし, 支持棒との接続をスプリングの特性を利用し容易にしたものである. 今一つの改良は, 鉤把持器として, 市販のPlierを改造使用し, 安価に製作できるものとした点である. 鉤のはたらく部位, 方向の変更は支持棒の位置を自在固定器により調節することで容易に行える. スプリングを使用しているため, 術者による手術途中の圧排部位の多少の調節も可能である. また本器は消毒不要でいつでも使用できるなどの特徴を持っている.
著者
喜多 知子 森田 秀芳 梅野 真由美 喜多 青三 下村 滋
出版者
日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.547-552, 1989
被引用文献数
3

ICP-AESを用いて,血清中の9元素(Mg,Ca,Fe,Cu,Zn,P,Si,Na,K)を同時測定するための前処理法として除タンパク法を検討した.除タンパク試薬としては,血清と混合後の終濃度が,硝酸は0.28M,トリクロロ酢酸は5.0%になるような混液が適当であることが分かった.本法による前処理は,血清0.5mlに精製水1.5mlを加えて混合し,これに除タンパク試薬4.0mlを加えてかき混ぜ,放置後遠心分離し,その上清をICP-AESの検液とする.前処理法として,よく使用されているテフロン密閉容器を用いた分解法との比較,又,自動化学分析機における測定値との比較を行い,本法は,ICP-AESで測定する血清試料の前処理法として有用な方法であることが分かった.本法を用いて,健常者や透析患者血清の前処理を行い,満足すべき結果を得た.