著者
藤原 聡史 福井 康雄 伊達 慶一 齋坂 雄一 上月 章史 尾崎 和秀 中村 敏夫 志摩 泰生 西岡 豊
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.679-682, 2015-07-31 (Released:2015-10-31)
参考文献数
19

症例は84歳女性で高血圧症,関節リウマチ,逆流性食道炎がありcelecoxib,lansoprazoleなど内服中であった。発熱,下痢,血便が出現し,発症から17時間後に前医で腹膜刺激症状を指摘された。腹部単純CTで穿孔性腹膜炎が疑われ,当科に紹介された。腹部CTで結腸脾弯曲部からS状結腸にかけて壁外にair densityを伴う全周性の壁肥厚を認めた。虚血性腸炎による後腹膜穿通と診断し緊急手術を施行した。手術所見では下行結腸壁が菲薄化,穿孔しており,穿通部位を切除しハルトマン手術を施行した。病理組織学的検査でcollagenous colitisと診断された。celecoxib,lansoprazoleの内服を中止し,術後12ヵ月以後再燃なく外来経過観察中である。
著者
六田 暉朗 福井 康雄 都築 英雄 谷田 信行 杉本 友則 三木 啓司 喜多 青三
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.763-766, 1994

上腹部並びに, 下腹部手術の手術野確保のための既報のOuter Retractor Holderを改良した. 本器は鉤把持器と支持棒から成っている. 鉤把持器は, 通常の筋鉤を手術野を覆う清潔布を介して把持し, 支持棒は手術台に自在固定器により固定されている.<br>改良点の一つは, 鉤把持器で鉤を把持しやすくし, 支持棒との接続をスプリングの特性を利用し容易にしたものである. 今一つの改良は, 鉤把持器として, 市販のPlierを改造使用し, 安価に製作できるものとした点である. 鉤のはたらく部位, 方向の変更は支持棒の位置を自在固定器により調節することで容易に行える. スプリングを使用しているため, 術者による手術途中の圧排部位の多少の調節も可能である. また本器は消毒不要でいつでも使用できるなどの特徴を持っている.