著者
桐山 隆哉 藤井 明彦 吉村 拓 清本 節夫 四井 敏雄
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.319-323, 1999-09-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
6
被引用文献数
13

野母崎町地先で1998年9月に, クロメの葉状部が欠損し, 著しい場合は茎だけとなる現象が観察された。その後, この現象は野母崎町地先のみならず, 県下全域に及んでいることが分かった。発生状況や症状等から生理障害とは考えられなかった。一方, 本症状を起こした葉体には高い割合で縁辺に特徴ある弧状の痕跡が認められ, その形状は魚類による摂食痕に酷似していた。また, 葉体が欠損する症状は, 口之津等でオオバモクにみられた他は同一場所に生育しているホンダワラ類やツルアラメには認められなかった。
著者
四井 敏雄 前迫 信彦
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.67-70, 1993-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
13
被引用文献数
12

対馬東岸の磯焼け帯においてウニ類と巻貝類を駆除し, アラメの母藻を投入するという方法で藻場回復実験を行った。その結果, 1年半後には自己増殖が可能なアラメの群落が出現した。方法は, 1988年6月にダイバーによって巻貝類を取り上げ, ウニ類はハンマーで潰した。アラメ母藻は11月にタマネギ袋に発泡スチロールの小塊と共に入れ, 3~4m毎に海底に設置した。1989年の3月にはアラメの幼体がフクロノリ等と共に現れ, 1990年5月には1才と2才のアラメが2: 1の割合をもつアラメ群落が形成された。