著者
尾本 正 四津 良平 申 範圭 又吉 徹 三丸 敦洋 井上 仁人 長 泰則 茂呂 勝美 加島 一郎 中尾 佳永 堤 浩二 前原 正明 古梶 清和 川田 志明
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.56-58, 1998-02-15
被引用文献数
1

当施設で施行した高齢者(65歳以上)に対するMICSの手術成績について検討を行った。対象は96年12月より97年8月までに施行した65歳以上のMICS症例5例で内訳は、僧房弁置換術2例、僧房弁形成術1例、左房粘液腫腫瘍摘出術1例、大動脈弁置換術1例であった。全例に対し術前に自己貯血を行った。胸部切開線は7~10cmであった。大動脈遮断時間は127±29分で人工心肺灌流時間は240±49分であった。輸血は2名に対して行い、術後合併症、手術死亡、遠隔期死亡を認めず、平均術後在院日数は20±7日であった。手術に際しては、MICS用開胸器、MICS用人工心肺回路、IVC用デシャン、体外式除細動パッド、胸骨リトラクター、経食道エコー等工学的支援を必要とした。高齢化社会をむかえた現在、MICSの導入によって、術後疼痛からくる肉体的精神的負担の軽減、入院期間の短期化による経済的負担の軽減等が期待される。
著者
新井 達太 四津 良平
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.379-388, 2012

新井達太先生は, 日本の心臓外科の黎明期に, 東京女子医科大学の榊原 仟先生のもとで学び, 国産の人工心臓弁SAM弁を開発し, 世界に先がけて弁付き同種大動脈を用いた右室—肺動脈のjump graftの動物実験に成功されました. また, 世界で初めてA型単心室の隔壁形成術に成功し, その患者さんは40年を超えた今も元気で暮らしておられます. 今回は新井先生に, 本誌編集委員の四津良平先生が, 当時の成功談, 失敗談を交えたさまざまなエピソードをおうかがいしながら, 外科医として歩んできた道をお話しいただきました.