- 著者
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山崎 隆文
菱沼 浩孝
齊藤 建
- 出版者
- 一般社団法人 日本体外循環技術医学会
- 雑誌
- 体外循環技術 = The journal of extra-corporeal technology (ISSN:09122664)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.3, pp.298-303, 2002-09-01
- 参考文献数
- 6
- 被引用文献数
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1
今回,小型軽量の血液ガス電解質アナライザーラジオメーター社製ABL77(ABL77)を使用する機会を得た。2001年2~4月までの心臓血管手術19例を対象に, ABL77とバイエル社製850と各種実測値データ(pH, PO2, PCO2, Na+, K+, Ca2+)を比較検討した。 Hctは, Sysmex社製K-4500と遠心分離器KUBOTA KH-120 IIで比較した。その結果, pHはy=0.92x+0.61, r=0.96, PCO2はy=0.91x+3.51, r=0.92, PO2はy=0.92x+6.18, r=0.94, Na+はy=0.78x+29.06, r=0.71, K+はy=0.90x+29.06, r=0.97, Ca2+はy=0.92x+0.14, r=0.93, Hctはy=1.06x+2.06, r=0.97, y=1.11x-3.35, r=0.97であった。 ABL77は,センサー部分がカートリッジ形式になっており,血液流路サーキットが短く,1検体の測定時間が短いうえに連続測定が可能である。この電極およびキャルパックを交換する場合には,バーコード認識で,使用期限などの機器認識が簡便である。欠点としては,センサー不良が生じた場合に,センサー電極が個々にメンテナンスができないため,センサーカートリッジをすべて交換しなければならない。使用期限があるため,その期限までに使用されなければ無駄となる。 ABL77を臨床使用し各測定データの結果, Na+で若干低値であったが,各項目高い相関を示した。小型軽量のため,人工心肺中の血液ガス,電解質分析装置として十分に活用できると考えられる。今後の課題として,センサーカートリッジの更なる安定性が求められる。