- 著者
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園田 智昭
- 出版者
- 慶應義塾大学出版会
- 雑誌
- 三田商学研究 (ISSN:0544571X)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.1, pp.121-131, 2007-04
商学部創立50周年記念 = Commemorating the fiftieth anniversary of the faculty50周年記念論文本社部門の業績を管理する手法であるチャージバック・システムにおける課金の設定方法は,2 つの観点から分類することができる。第一の分類は,課金に利益を上乗せするか市場価格をベースとする方法(プロフィットベースの課金)と,原価をベースに課金を設定する方法(コストベースの課金)である。第二の分類は,課金をサービス量に関係なく固定的に設定するか,サービス量に応じて変動的に設定するか,という観点からの分類である。結果として,両者を組み合わせた4 種類の課金を考えることができるが,プロフィットベースで変動的な課金が最も優れている。本稿では,これら4 種類の課金設定方法について検討し,プロフィットベースの課金の長所,コストベースの課金と事業部制会計における配賦の違い,固定的な課金と変動的な課金の比較などについて検討するとともに,チャージバック・システムの新たな展開の可能性として,包括契約と個別契約,さらにはSLA について指摘した。