著者
中馬 成子 土居 洋子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.5_59-5_69, 2011-12-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
25

2型糖尿病患者のインスリン療法に対する心理的行動的反応を明らかにするために,インスリン療法を1年以上継続している20名を研究の対象とした。インタビュー内容から逐語録を作成し,データ化したうえで,継続比較分析することにより5つのカテゴリーを抽出した。インスリン療法の告知時は,【インスリン療法に対し否定的感情】をもっていた。その後,【インスリン療法の知識による認識の変化】がもたらされ,【インスリン療法の開始を決意】し,インスリン自己注射を実施し体験する過程を経て,【インスリン自己注射に対する安心感を獲得】しており,【インスリン療法を維持する意志と行動】という肯定的な態度へと変遷していた。治療開始時の心理的行動的問題を焦点化したうえで,早期から正しい知識と安心感が得られる情報を提供し,肯定的な認識と態度がもてる援助が重要である。
著者
山本 裕子 池田 由紀 松尾 ミヨ子 大鳥 富美代 林田 麗 土居 洋子
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

2型糖尿病と診断された患者の特徴を明らかにし、診断後3年以内の早期患者を対象とした学習支援プログラムについて検討した。その結果、糖尿病の受けとめに特徴がみられ、積極的受けとめと消極的受けとめがあり、受けとめがその後の自己管理に影響することが示唆された。学習支援プログラムは、患者が気持ちを表出しやすいように、グループアプローチをとりいれたが、早期の患者では糖尿病による経験が浅いことや、外来受診患者を対象としたためメンバーの関係を築きにくく、グループアプローチ機能の活用は困難であった。