著者
村上 次雄 菊地 光雄 井川 一成 土屋 晉
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.618-624, 1994-09-15 (Released:2009-11-12)
参考文献数
8

次亜塩素酸カルシウム2水和物 (CHDH) は, 偏平な四角板状結晶であり, 固液分離性が劣る, 脆い等, その形状に起因して工業上多くの問題点を有している.このCHDHの晶癖を改善することを目的として, 水酸化カルシウムと水酸化ナトリウムの水性混合スラリーを回分式で塩素化する方法を用いて, 添加剤の効果について検討した.添加剤として多くの無機および有機化合物を用いた結果, カルボン酸化合物および炭水化物に強い媒晶作用を見い出した.この中で多塩基性力ルボン酸化合物が, 実用上有効な添加剤と考えられる.この添加剤の作用は, 結晶の幅 (a, b軸) 方向の成長を抑制し, 厚み (c軸) 方向の成長を促進するものであり, 新しい形状, 即ち単結晶で柱状のCHDH結晶が得られた.添加剤効果のメカニズムとして, (1) 添加剤が結晶の厚み方向の面に選択的に吸着する作用, (2) 添加剤がCa2+とキレートを形成し, 過飽和濃度を高める作用, が考えられる.