著者
藤目 文子 尾形 明子 在原 理沙 宮河 真一郎 神野 和彦 小林 正夫 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.167-175, 2009-05-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
1

本研究の目的は、1型糖尿病患児を対象としたキャンプが、病気の自己管理行動に及ぼす影響を検討することであった。キャンプの前後に1型糖尿病患児28名に対して、自己管理行動に対するセルフエフィカシー、糖尿病に関する知識、ストレス反応、HbAlcを測定した。キャンプにおいて、ストレス反応が減少し、自己の症状把握に対するセルフエフィカシーの上昇が認められた。さらに自己注射や、糖分摂取、インスリン調節に対するセルフエフィカシーがストレス反応やHbAlc値を改善させる要因として示唆された。1型糖尿病患児を対象としたキャンプは、症状コントロールのための自己管理行動へのセルフエフィカシーや知識の向上に効果的であることが示唆された。
著者
在原 理沙 古澤 裕美 堂谷 知香子 田所 健児 尾形 明子 竹内 博行 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.177-188, 2009-05-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
6

本研究の目的は、小学生児童を対象とした学級における集団社会的スキル訓練の効果を検討することであった。対象者は小学生児童42名(男子18名、女子24名:9〜10歳)であった。児童は先行群と待機群に分けられ、両群の児童は4週間、学級を対象とした集団社会的スキル訓練(以下集団SST)に参加した。訓練効果は、自己評価による社会的スキル得点、対人的自己効力感得点、学校生活満足度得点によって評定された。結果、集団SSTは、児童の社会的スキル、対人的自己効力感、および被侵害感を改善させることが示唆された。次に、訓練前の社会的スキルの自己評価得点の高さによって3群に分けられた(低群・中群・高群)。各得点において群の違いを分析した結果、集団SSTは、社会的スキルの自己評価が中程度の児童の社会的スキルの改善において、特に効果的であったことが示唆された。