著者
坂口 嘉郎
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.130-137, 2015 (Released:2015-02-17)
参考文献数
9

カプノグラフィーは,換気のリアルタイムモニターとして有用である.さらに,カプノグラムの波形分析および動脈血-呼気終末炭酸ガス分圧の関係から換気量の妥当性や,換気血流不均衡,死腔換気などの病態を評価することが可能である.量カプノグラムでは死腔量を解剖学的死腔と肺胞死腔に分けて算出できる.非気管挿管患者にカプノグラフィーを換気モニターとして用いる場合は,低換気に伴うカプノグラムの異常パターンを正しく判別する必要がある.
著者
三根 奈々 谷川 義則 園畑 素樹 平川 奈緒美 坂口 嘉郎
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.802-807, 2013 (Released:2013-11-09)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

経口補水液(OS-1)と高濃度炭水化物含有飲料(AW)の術前水分補給効果と飲水量に関する比較検討を行った.手術当日2例目以降予定の脊髄くも膜下麻酔下に施行される人工股関節全置換術症例を対象とし,封筒法にて各群20例(OS-1 1,000ml群,AW 1,000ml群,AW 250ml群の3群)に分け水分補給効果を前向きに調査した.OS-1 1,000ml vs AW 1,000ml群,AW 1,000ml vs AW 250ml群ともΔFENa(fractional excretion rate of Na)に有意差なく,効果は同等であった.術前摂取飲料に両飲料水とも適することが示唆された.
著者
坂口 嘉郎 冨永 昌宗 高橋 成輔
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.322-326, 2004-09-15
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

九州大学医学部では1995年から高機能患者シミュレータを導入し, 医学生に対する麻酔科蘇生科のベッドサイド実習で利用している. 患者を対象とする臨床実習の前後に, 学生グループが自ら立てた計画に基づき, 麻酔シミュレーションを実践する. 酸素投与や換気補助をしないまま麻酔導入したりすることも少なくない. 疑似医行為の結果を目の当たりにすることで, 医学生らは自らの臨床能力の程度を自覚し, また医行為のもつ危険性も身をもって理解する. 高機能患者シミュレーションは, 患者に負荷を一切かけることなく, 医学生たちが, 主体的に修練する動機付けを得る意義があると考える. その効果的な運用についてはさらなる検討が望まれる.