著者
吉澤 純一 武藤昭一 田中 秀雄 植田 孝夫 西田正吾 坂口 敏明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.638-646, 1988-07-15
被引用文献数
2

各種設備を高信頼度で維持・運用するためには 機器そのものの高信頼化を図ると共に 運転・保守に携わる要員の教育・訓練が重要である一方 今日のCAIは多種メディア機器の発達 認知科学の発展 そして新しいプログラミング・パラダイムの出現を背景に 従来にない新しい教育・訓練環境を提供できるようになってきている.このような背景の下に 筆者らは電力設備に携わる保守員の教育支援を題材に メディアテクノロジー 知識工学 認知科学の成果を取り入れた保守教育支援システムADVISOR(ADvanced VideoInStructOR)を開発した.ADVISORでは インタフェース中心主義の立場から教育支援することを試みている.すなわち 学習対象の理解を支援するために各学習ステップの概念的意味や具体的内容 各学習ステップの全体に対する重要性 学習空間における現在位置等が逐次把握できる教育的インタフェースを ビデオディスクやピットマップ・ディスプレイを利用して実現している.また 他の対象に対しても学習空間が容易に構築できる 構築ツールを用意している.本論では まず ADVISORの設計思想について述べる.次に 実現されている教育的インタフェースの機能とその実現方法について説明する.
著者
仲谷 美江 西田 正吾 坂口 敏明 後藤卯一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.124-135, 1990-01-15
被引用文献数
6

本論文は ソフトウェア開発プロジェクトにおけるコミュニケーション支援に関するものである.ソフトウェアの生産性向上が急務となっている.本論文では 協同作業を支援し 開発プロジェクトの生産効率を上げることを目指している.プロジェクトにインタピニー調査を行ったところ ソフトウェアの意図を表現する適切な方法がないため コミュニケーションが困難であるという問題が見られた.このため コミュニケーションの支援が生産性向上に有効であると予測される.ここでは ソフトウェアの意図やイメージを表現する方法として 劇場モデルを提案する.劇場は 俳優が舞台の上でドラマを演じ 観に見せる場所である.観客はドラマの進行を見て脚本家の意図を読み取る.これは 人間が まとまりの中から意味を把握する認識メカニズムを持っているからである.ここで ソフトウェアの構造がドラマと類似していることに着目した.ソフトウェアの進行を適切に表現すれば 人間はその中から設計者の意図を読み取ることができると考えられる.そこで 劇場モデルに基づいた表現方法を実現する意図伝達支援ツールCOMICS(COMputer-based Intention Communication System)を試作し その有効性について検証した.