著者
坂口 豪
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.131-141, 2023 (Released:2023-06-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1

浅間山北麓地域では,ジオパーク活動の開始前より,地元住民や自然愛好家が浅間山周辺地域の自然・文化資源を対象にして組織的なガイド活動を行っていた.そうした場所で,ジオパーク認定を目指した活動が始まったことにより,このガイド活動を行っていた人が中心になり浅間山ジオガイドの会が組織された.嬬恋村と長野原町とでジオパーク活動が進められることになると,浅間山ジオガイドの会に所属していなかったガイドも浅間山ジオガイドの会に所属するようになった.そうして,この地域ではジオパークの理念に沿ったガイド活動が行われるようになった.浅間山ジオガイドの会では,外部講師を招いての講座や会員相互での研修が行われ,ガイドのテキストを会員全員で分担して作成するなど,組織でガイド能力を向上させる取組みが進められた.さらにこの会は,ガイド養成講座を開催し,ジオガイドを増員させていった.
著者
坂口 豪
出版者
首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.6, pp.147-156, 2013-03

東京大都市圏は宅地化などの開発が高度経済成長期に行なわれ,緑地が少なくなった。しかし斜面林地は開発が行いにくく緑地として残されていることが多い。世田谷区の西部を流れる野川の東側には国分寺崖線が続き,崖線上の一部には斜面林が残されている。このような樹林は都市的土地利用が広がる都市近郊域では貴重な自然環境である。そこで,本研究では国分寺崖線上に位置する世田谷区立成城三丁目緑地を調査地とした。本緑地は2001 年に世田谷区により設立された。現在,どのような緑地管理が行なわれているか市民ボランティアに聞き取りを行ない整理した。また現地調査は植生を基にしたエリア区分けごとに行ない,土壌硬度,土壌水分量,リター層の厚さの計測をした。また各エリアで土壌採取を行ない,土壌pH,全炭素量と全窒素量の値を測定しC/N 比を出した。成城三丁目緑地における管理活動については,現在,荒廃した雑木林とならぬように,市民ボランティアが下草刈りや倒木の処理を行っている。土壌性状については,土壌硬度の垂直分布は,地形条件により大きく異なる。斜面下部の表層部の硬度が低くなる傾向がみられた。土壌の化学性については,樹林地内ではほとんどの地点でpH5.5-6.0 であった。造成地ではアルカリ化が進んでいた。また管理により,土壌の性状が異なることが明らかになった。落ち葉掻きにより,C/N 比は下がり,pH は上がることが分かった。ただし,その影響は小さいことが分かった。
著者
坂口 豪
出版者
首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.6, pp.147-156, 2013-03-30

東京大都市圏は宅地化などの開発が高度経済成長期に行なわれ,緑地が少なくなった。しかし斜面林地は開発が行いにくく緑地として残されていることが多い。世田谷区の西部を流れる野川の東側には国分寺崖線が続き,崖線上の一部には斜面林が残されている。このような樹林は都市的土地利用が広がる都市近郊域では貴重な自然環境である。そこで,本研究では国分寺崖線上に位置する世田谷区立成城三丁目緑地を調査地とした。本緑地は2001 年に世田谷区により設立された。現在,どのような緑地管理が行なわれているか市民ボランティアに聞き取りを行ない整理した。また現地調査は植生を基にしたエリア区分けごとに行ない,土壌硬度,土壌水分量,リター層の厚さの計測をした。また各エリアで土壌採取を行ない,土壌pH,全炭素量と全窒素量の値を測定しC/N 比を出した。成城三丁目緑地における管理活動については,現在,荒廃した雑木林とならぬように,市民ボランティアが下草刈りや倒木の処理を行っている。土壌性状については,土壌硬度の垂直分布は,地形条件により大きく異なる。斜面下部の表層部の硬度が低くなる傾向がみられた。土壌の化学性については,樹林地内ではほとんどの地点でpH5.5-6.0 であった。造成地ではアルカリ化が進んでいた。また管理により,土壌の性状が異なることが明らかになった。落ち葉掻きにより,C/N 比は下がり,pH は上がることが分かった。ただし,その影響は小さいことが分かった。