著者
小野 尚子 田中 一光 木脇 佐代子 井上 雅貴 霜田 佳彦 大野 正芳 坂本 直哉 石川 麻倫 山本 桂子 清水 勇一 清水 亜衣 松野 吉宏
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.593-601, 2020-05-24

●「考える内視鏡診断」のポイント通常観察では・多彩な内視鏡像が同時に観察される.・非上皮性腫瘍としての性質(粘膜下腫瘍様)が観察され,蚕食像はなく,硬さが目立たない.拡大内視鏡観察では・腫瘍浸潤により腺管構造が破壊された無構造領域や異常血管が観察される.・間質の細胞浸潤により窩間が引き延ばされ,腺管の膨化所見がみられることがある.・前述の特徴を捉え,狙撃生検を行うことで,診断能は向上する.・治療後に腺管構造や上皮下毛細血管の回復が観察され,治療後評価にも有用である.
著者
間部 克裕 加藤 元嗣 坂本 直哉 浅香 正博
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.218-224, 2013 (Released:2013-02-05)
参考文献数
26

ペプシノゲン(PG)は,胃底腺で産生されるPG Iと胃全体から産生されるPG IIからなり,約1%が血液中に漏出する.血清PGは胃粘膜の萎縮と相関し,PG I 70ng/ml以下かつPG I/II比3以下がPG法における胃がん高リスクである.胃がんの原因がH. pylori感染であることが明らかになり,PGに血清H. pylori抗体を組み合わせるABC分類が提唱され,胃がんリスク分類が可能となった.H. pylori除菌治療によりリスク例もA群に誤分類されてしまうことが課題である.Cut off値の見直しや除菌後PGなど,除菌治療後のPGについて検討がされている.