著者
小野 尚子 田中 一光 木脇 佐代子 井上 雅貴 霜田 佳彦 大野 正芳 坂本 直哉 石川 麻倫 山本 桂子 清水 勇一 清水 亜衣 松野 吉宏
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.593-601, 2020-05-24

●「考える内視鏡診断」のポイント通常観察では・多彩な内視鏡像が同時に観察される.・非上皮性腫瘍としての性質(粘膜下腫瘍様)が観察され,蚕食像はなく,硬さが目立たない.拡大内視鏡観察では・腫瘍浸潤により腺管構造が破壊された無構造領域や異常血管が観察される.・間質の細胞浸潤により窩間が引き延ばされ,腺管の膨化所見がみられることがある.・前述の特徴を捉え,狙撃生検を行うことで,診断能は向上する.・治療後に腺管構造や上皮下毛細血管の回復が観察され,治療後評価にも有用である.
著者
小野 博美 草野 満夫 二瓶 壮史 林 秀幸 福島 拓 川上 雅人 檀上 泰 長島 君元 清水 勇一 川俣 太 本多 昌平 嶋村 剛 西原 広史
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.115, no.4, pp.385-393, 2018-04-10 (Released:2018-04-10)
参考文献数
19

胃癌の内視鏡的marking法として,リポ蛋白と結合すると蛍光を発する性質を利用したindocyanine green(ICG)蛍光法が有用であるか検討した.手術3日前に内視鏡的に胃癌の周囲にICG溶液を粘膜下層に注入し,開腹時にphotodynamic eye(PDE)カメラで,腹腔鏡下手術では蛍光内視鏡で観察した.さらに術後切除標本を利用して蛍光輝度,蛍光の拡がりを観察した.早期胃癌8例,進行胃癌6例を対象とした結果,全例において術中切除範囲の決定に同法が有用であった.今後ICGの注入量,タイミングの技術的な面での検討が必要と考えられた.