著者
坂田 実花 岡本 秀明 MIKA SAKATA Hideaki OKAMOTO
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.67-79, 2009-03

本研究では、市川市の高齢者が現在の居住している住宅に対してどのような意識を持っているのか、高齢者が感じる住生活上の問題点および住宅改善の希望内容を整理することで、全体的な傾向を明らかにすることを目的とした。分析対象は、市川市で実施したアンケート調査で「現在お住まいの住宅で、年齢を重ねるにつれ、使いづらくなった点や困っている点、改善したい点を、ぜひ教えて下さい」と自由記述により回答を求め、この質問に関係する回答が記入されていた134票とした。 調査の結果、市川市の高齢者は自宅に対して①「住宅、設備による問題点と改修希望」と、②「その他の住環境に関連した問題点と改善希望」を有していることが明らかとなった。「住宅、設備による問題点と改善希望」では、「階段」、「浴室」、「居室・廊下」で問題点と改善希望が多くあげられた。問題点と改善希望の主な内容は、「階段昇降の負担」、「段差解消」、「手すり取付け」であった。「その他の住環境に関連した問題点と改善希望」については、「日照」、「防災・防犯」、「改修困難」、「生活継続不安」の4点があげられた。 以上のことから、市川市の高齢者が住み慣れた自宅で可能な限り安全かつ安心な生活を継続するためには、第1に普遍的な住宅のバリアフリー化を進めるとともに、個々人の身体状況や住宅状況に適した住宅改修の推進を行うこと。第2に介護保険などのバリアフリー化を進める住宅改修制度で対応することが出来ない問題点については、ニーズに合致した制度の充実、情報提供、利用促進が必要とされる。
著者
中島 明子 坂田 実花 鈴木 浩
出版者
和洋女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

予備調査を踏まえ、東京都墨田区内の高齢者730人のデータを解析。98%が墨田区内での居住継続希望であった。さらに自宅継続・区内転居・区外転居希望者別に住要求及び生活要求について分析し、居住継続要因と非継続要因を考察した。居住継続支援としては、民間借家対策、耐震・老朽化対策と併せ、経済及び健康対策が必要である。これに対し公的・民間セクターが相互に補完しあう"すみだ型地域居住支援システム"を構想した。