著者
平野 敦之 伊藤 恵介 川井 祐輔 山本 俊勇 濱野 真吾 長谷川 千尋 水野 芳樹 柴田 康行 小川 久美子 中村 誠 城 卓志
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1533-1540, 2010 (Released:2011-11-07)
参考文献数
33
被引用文献数
1

症例は57歳男性.上部消化管内視鏡検査にて頸部食道に異所性胃粘膜に連続する0-I+IIc病変を認めた.同部からの生検により腺癌と診断し,頸部胸部食道切除+遊離空腸移植術を施行した.切除標本の病理組織的検索にて異所性胃粘膜より発生した食道腺癌,深達度sm3と診断し,さらにMUC5AC,MUC6,MUC2,Cdx2の免疫染色により腸上皮化生を伴った異所性胃粘膜より発生した胃腸混合型の腺癌と診断した.
著者
中沢 貴宏 大原 弘隆 城 卓志
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.569-578, 2010 (Released:2011-01-07)
参考文献数
30
被引用文献数
4

要旨:IgG4関連硬化性胆管炎は原発性硬化性胆管炎や胆管癌との鑑別が必要である.自己免疫性膵炎の合併の有無,血清IgG4値,全身合併症を参考に,胆管像,管腔内超音波像で診断することが重要である.胆管の生検診断は胆管癌の除外に有用である.膵病変が明らかでなく,硬化性胆管炎のみを認める症例は診断に難渋する.治療は自己免疫性膵炎と同様にステロイドの投与で軽快するが,再燃を繰り返す症例やステロイドに反応が悪い症例に対して海外では免疫抑制剤の併用も行われている.予後はおおむね良好であるが,肝萎縮をきたす症例も報告されている.