- 著者
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堀 浩二
- 出版者
- 帯広畜産大学
- 雑誌
- 帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.4, pp.666-675, 1971-05-30
マキバメクラガメの腸インバーターゼの性質を研究し,今まで研究された昆虫インバーターゼのあるものと比較した。またそれを同じ昆虫の他の消化酵素と比較してその消化生理に関する役割を論じた。1.pH 5.5における24時間インキュベーションの場合,腸インバ'ーターゼの最適反応温度は約37℃であった。2.pH 5.5,37℃において,腸インバーターゼは48時間のインキュベーションの間中アクティブであり,その際生産される還元糖の量はインキュベーションの時間に伴って直線的に増加した。3.反応混合液中のシュークロース濃度が10%以上であった時,腸インバーターゼは最もアクティブであった。4.腸インバーターゼはpH 3.0と8.0の間でアクティブであり,4.0と6.5の間で,そのより高い活性が認められた。その最適pHは5.5であった。5.どのpHにおいても,NaClとKNO_3はインバーターゼの作用になんらの影響も与えなかった。6.腸のpHと腸インバーターゼの作用に対する最適pHとの一致は本カメムシのシュークロース消化にとって有利であろう。