著者
堀井 悟志
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,日常的な予算管理実践からどのように新製品開発戦略が創発するのかを実践論的研究によって検討した。その結果,集約的財務指標,新製品開発の短期化のもとで予算管理プロセスを議論の場として用いることで,会計と行動計画のリズムの調和の乱れをきっかけに戦略的適応,製品イノベーションが可能になっているだけでなく,予算管理プロセスが新製品開発の基礎である人的資本の構築の場を提供し,組織能力を向上させていることが明らかになった。そのうえで,予算管理の運用においては管理会計リテラシーが重要であることを指摘した。
著者
堀井 悟志
出版者
公益財団法人 牧誠財団
雑誌
メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.29-45, 2021 (Released:2022-09-22)
参考文献数
22

本論文では,中期経営計画立案およびその後の期中管理に関する定性的研究によって,戦略化における中期会計目標の位置づけ・役割についてより詳細に検討した。その結果,特定の戦略や行動計画と結びついていない願望としての会計目標が社会コントロールとの補完関係のなかで達成すべき規範となることで,中間管理者にとっての戦略化の出発点および扇の要のような戦略的結節点として,組織に確固たる目標を与えるとともに,その目標に向かうからこそ企業活動に柔軟性をも与えているという会計目標の遂行性を明らかにした。また,その分析のなかで,経営管理期間の多様性,複雑性と相互関連性をも明らかにした。これらの知見は,管理会計の戦略化における役割についてだけでなく,管理会計における経営管理期間の適切性を明らかにしたという点で学術的な貢献をしたと考えられる。
著者
堀井 悟志
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究 (ISSN:13496530)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.37-48, 2016 (Released:2017-04-14)

本研究では,企業内アンケート調査をもとに,Adler and Chen(2011)の提示した自己決定理論と文化的自己観に基づく動機づけへの影響に関する概念モデルの検証を行った。その結果,マネジメント・コントロールが内発的動機づけ,同一視的動機づけ,そして相互依存の自己観に正の影響を与えることが検証された。