著者
宗森 純 堀切 一郎 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.143-153, 1994-01-15
被引用文献数
28

ネットワークで結合された複数台の計算機による発想支援システム郡元(Groupware for new idea generation support system)を開発した。本システムは分散協調型KJ法と知的生産のためのカードシステムを計算機上で融合したものである。KJ法は川喜田二郎によって開発された(頭文字をとってKJ法)手法で、複数の人による発想法の体系的技術の一つである。分散協調型KJ法は複数の計算機上で行われる。参加者はテーマに添って意見を出し、それを類似性によっていくつかのグループに分け、そこから結諭を導き出す。本システムの特徴は、分散協調型KJ法の結果をカードシステムを模擬したデータベースに自動的に保存し、再利用できるようにしたことにある。本諭文では郡元を3台もしくは4台で行う分散協調型KJ法の学生実験に適用した緒果と紙面上で行ったKJ法の結果とを、意見の数、文字数、かかった時間などをパラメータとして比較して述ぺている。