著者
宗森 純 長澤 庸二
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.44(1991-CH-009), pp.1-6, 1991-05-24

ネットワークで結合された複数の計算機による発想支援用グループウェアGUNGENを開発した.本システムはKJ法と知的生産の技術カードを融合したものである.本システムにおいては参加者が,提案された発想を共用するウィンドウの画面上で類似性によってグループ化し,島を作り,結論を導く.その際に,技術カードシステムに蓄えられたデータを参考にすることが可能となった.
著者
由井薗 隆也 宗森 純 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.424-437, 1998-02-15
参考文献数
21
被引用文献数
5

計算機を介してしかコミュニケーションをとることができない分散環境下で,マルチメディア(画像+音声+テキスト)を用いてコミュニケーションをとることができる発想支援グループウェア郡元を用い,分散協調型KJ法学生実験を18回行った.過去に行ってきた評価は結果から得られる定量的なパラメータだけによるものだったが,今回は作業過程を考慮した評価を行った。作業過程を考慮するたるに操作を時刻とともに記録したログデータを利用した.コミュニケーションをとるために音声が主として用いられた実験とコミュニケーションをとるためにテキストが主として用いられた実験に分けて実験結果を比較した.その結果,コミュニケーションをとるためにテキストが主として用いられた実験では,操作権を3人で協同してとりながら行う実験が多いこと,そして,KJ法の実験結果にかかわる島の数,まとめ文字数が多くなることが分かった.GUNGEN,a groupware for a new idea generation support system,equipped with multimedia communication functions(movie,voice,and text based chat),was implemented on a network consisting of three personal computers which are set in distributed environment (i.e.in different rooms on different floors).We tried experiments involving students as subjects on a distributed and cooperative KJ method 18 times.We have used the quantitative parameters in order to estimate the results of experiments.We also used time sequence of operations in order to estimate the results of experiments,in this time.The time sequence data consisted of operation data and voice data.We distinguished the results of experiments,mainly using voice based communication from the results of experiments,mainly using text based communication.The results of experiments suggested as follows:When subjects mainly used text based communication,they cooperated with one another very much in the most of experiments and the nubmer of islands and the number of characters of a conclusion were increased.
著者
宗森 純 由井薗 隆也 山元 一永 長澤 庸二
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.26, pp.1-6, 1996-03-14

ネットワークで接続されたパーソナルコンピュータと比較的安価な入力機器を用いて遠隔地間でゼミを行う遠隔ゼミ支援システムRemoteWadamanを開発した.本システムは知的生産支援システムWadamanにグループウェア機能を付加し,新たに開発した画像・音声用コミュニケーションツールNetGearと併用したものである.本システムを用いて鹿児島大学(鹿児島市)と東北大学電気通信研究所(仙台市)間で遠隔ゼミを2回行った.その結果,従来のゼミと比較してもRemoteWadamanを用いた遠隔ゼミは大筋では遜色ないが,同時に使用できる計算機の台数が実用的には4台と少ないために,ゼミ特有のインタラクティブな部分が不十分であることがわかった.We have developed a remote seminar support system named RemoteWadaman. RemoteWadaman was implemented on a network, consisting of four personal computers and cheep input equipments. RemoteWadaman is based on an intelligent productive work card support system, named Wadaman, and a multimedia communication tool, named NetGear. We tried remote seminar between Kagosima University and Tohoku University twice. The results of trial was that RemoteWadaman was sufficiently effective for a remote seminar, but, insufficient about interaction between participants.
著者
宗森 純 五郎丸 秀樹 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1350-1358, 1995-06-15
被引用文献数
20

本論文では、3台もしくは4台の計算機上で発想支援グノレープウェア郡元を用いて分散協調型KJ法を同]室内と分散した環境(同一階の異なる部屋および異なる階)で行い、意見の数、所要時間、文章の文字数、雑談の数などをパラメータとし、分散した環境が発想支援グループウェアの実施に及ぽす影響を検討した。分散協調型KJ法は複数の計算機上で意見をだし、似ている意見をまとめ、そこから結論を得る発想法の一つである。郡元はテキストベースの雑談機能(チャット)で参加者間のコミュニケーションをとることに特徴がある。実験の結果、異なる階にまたがって分散携調型KJ法を実施すると雑談の数のみが他の場合と比較して増加し、分散した環境(同一階および異なる階)では同一室内と比較すると相手に返事を求める雑談の割合が増加することがわかった。しかし、同一室内でも分敵した環境でも意見の数や文章の文字数、所要時剛こ大差はなかったため、空間的に分散した環境でもテキストベースでコミュニケーションが十分とれることがわかった。
著者
吉野 孝 井上 穣 由井薗 隆也 宗森 純 伊藤士郎 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.2788-2801, 1998-10-15
被引用文献数
16

インターネットに接続されたパーソナルコンピュータと比較的安価な入力機器を利用した,40台の計算機が利用可能な遠隔授業支援システムを開発した.本システムは,遠隔地にいる教官が,計算機演習室に集まった学生に対して講義を行う形の遠隔授業を支援する.教官側には,リモコンカメラによる教室の映像が常時表示されており,学生のいる教室には教官の上半身の映像が常時スクリーンに表示されている.学生との質疑応答時には,教官と学生は映像と音声を用いて直接接続され,1対1のコミュニケーションを行うことができる.さらに,教官用および学生用共有カーソル,板書システム,ノートシステムなどを備えている.本システムを,大阪大学と鹿児島大学,鹿児島大学内の異なる建物,計算機演習室内での授業の3つの授業に適用した.その結果,今回適用を行った授業において,授業の理解は,本システムを用いても十分得られた.We have developed a supporting system for destance learning classrooms via Internet,which can consist of 40 personal computers and inxpensive input equipment.This system may support a classroom,in which a teacher lectures for students in a remote computer practicing room.In the teacher side,a picture of the classroom es always displayed by a remote control camera,and the upper half of the teacher's body is always seen on a screen in the classroom.For questions and answers a direct connection between the teacher and any student in the classroom can be set up for video and audio signals.Additionally,this system is equipped with shared cursors between a teacher and students,a blackboard systemand a note system.Three kinds of distance learning classrooms have been tried;(1)between Osaka University and Kagoshima University,(2)between two buildings in Kagoshima University,and(3)within a computer practicing room.In these applications,it has been found that better understanding may be perfomed for students by this system.
著者
宗森 純 堀切 一郎 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.143-153, 1994-01-15
被引用文献数
28

ネットワークで結合された複数台の計算機による発想支援システム郡元(Groupware for new idea generation support system)を開発した。本システムは分散協調型KJ法と知的生産のためのカードシステムを計算機上で融合したものである。KJ法は川喜田二郎によって開発された(頭文字をとってKJ法)手法で、複数の人による発想法の体系的技術の一つである。分散協調型KJ法は複数の計算機上で行われる。参加者はテーマに添って意見を出し、それを類似性によっていくつかのグループに分け、そこから結諭を導き出す。本システムの特徴は、分散協調型KJ法の結果をカードシステムを模擬したデータベースに自動的に保存し、再利用できるようにしたことにある。本諭文では郡元を3台もしくは4台で行う分散協調型KJ法の学生実験に適用した緒果と紙面上で行ったKJ法の結果とを、意見の数、文字数、かかった時間などをパラメータとして比較して述ぺている。
著者
松元 隆博 棚田 嘉博 佐藤 公則 長澤 庸二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.374-386, 2001-03-01
被引用文献数
18

シフト直交実数有限長系列は, シフトの両端を除いてサイドローブが0になる鋭い非周期自己相関関数を有する.この系列は, 長さが短い系列から作った要素系列の畳込みにより合成される.この系列に対するマッチトフィルタは, 要素系列に対するマッチトフィルタを縦続接続して構成することにより, 乗算数がO(log_2M)となって高速処理に適する.この原理に基づき, 高速なディジタルマッチトフィルタをフィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)上に試作した.各要素系列値は乗算を簡単にするために整数で近似する.Wallaceトリーのアルゴリズムとパイプライン処理を併用して, 試作器は1万ゲートのFPGAを用い, 長さ33の系列から作った8ビット量子化の符号に対しチップ速度16Mcpsで動作する.