- 著者
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堀田 哲也
小池 隆夫
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.97, no.6, pp.1334-1340, 2008 (Released:2012-08-02)
- 参考文献数
- 14
抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome,APS)は,β2-glycoprotein I(β2-GPI)やプロトロンビンなどのリン脂質結合蛋白を対応抗原とする抗リン脂質抗体(antiphospholipid antibodies;aPL)が血中に存在し,血栓症や妊娠合併症などの多彩な臨床症状がみられる自己免疫疾患である.aPLが血栓症や妊娠合併症を引き起こす機序については,(1)aPLが凝固線溶系に影響を及ぼす,(2)aPLが血小板,血管内皮細胞,単球を活性化させる,などが考えられている.さらに近年では,aPLは血栓形成のみならず,補体の活性化などを介した組織障害を引き起こすことが注目されている.APSの治療は,急性期の血栓症の治療,血栓症の再発予防,妊娠合併症の予防に大別され,それぞれの病態に応じた治療が選択される.