著者
堀田 晴美
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-4, 2014-02-01 (Released:2014-02-21)
参考文献数
11
著者
堀田 晴美
出版者
公益財団法人 国際全人医療研究所
雑誌
全人的医療 (ISSN:13417150)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.39-45, 2014-12-25 (Released:2019-04-09)
参考文献数
16

侵害刺激で誘発される自律神経反応は,慢性痛を増悪させる要因の一つである.従って,その制御は臨床的に重要である.我々は,軽い皮膚タッチが熱侵害刺激による心血管反射を抑制し得ることをヒトと動物で見出した.その効果は,規則正しく配列した微小突起を持つマイクロコーンによるタッチで生じる.同一素材の平坦な円盤では効果がない.微小突起の有無は,触覚や体性感覚皮質の代謝,触知覚に重要な皮膚Aβ求心性線維の活動には影響しない.しかし,前帯状皮質の代謝や,皮膚低閾値Aδ及びC求心性線維の活動は,微小突起有の方でより高い.熱刺激による心血管反射を抑制するマイクロコーンの作用は,脊髄へのオピオイド受容体遮断薬の局所投与で消失する.以上より,マイクロコーンによる皮膚の低閾値Aδ及びC線維の興奮が脊髄のオピオイド系を賦活して脊髄での侵害受容伝達を抑制し,心臓交感神経反射を抑えると考えられる.
著者
渡辺 信博 飯村 佳織 堀田 晴美
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.151-156, 2022 (Released:2022-04-23)
参考文献数
30

アルツハイマー病(AD)は,脳実質内(神経細胞周囲)にアミロイドβ(Aβ)が異常蓄積することが引き金となって生じると考えられている.近年ではまた,一過性脳虚血などの脳血管障害もADの危険因子のひとつに挙げられている.脳の神経細胞は虚血に脆弱であるが,血管拡張神経を刺激し脳虚血の程度を軽減させると,傷害されるニューロンの数が減少する.すなわち,虚血時の脳血管反応はADの病態に影響を及ぼすと推測される.Aβは脳実質内に加えて,脳表面を走行する軟膜動脈周囲にも蓄積することが知られている.本稿では,Aβ蓄積による脳血管機能への影響について,著者らの研究を含めながら紹介する.
著者
堀田 晴美 飯村 佳織 鈴木 はる江
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.132-137, 2019 (Released:2019-09-27)
参考文献数
11

甲状腺には,交感神経と副交感神経(上喉頭神経:SLN)の節後線維が分布するが,甲状腺から分泌される種々の代謝調節ホルモンの分泌にどのように寄与するか,よくわかっていなかった.最近我々は,麻酔ラットの甲状腺静脈血を採取しながら頸部交感神経幹やSLNを電気刺激する実験により,甲状腺からのホルモン分泌が,交感神経と副交感神経の遠心性線維によって拮抗的で迅速な調節を受けること,またSLN中の有髄求心性線維の興奮が甲状腺からのホルモン分泌促進反射をもたらす可能性を示唆する結果を得た.そして,その反射を誘発する自然刺激の一つが咽頭への機械的刺激であることを新たに見出した.