著者
鈴木 はる江
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.8-14, 2009-02-10 (Released:2010-11-10)
参考文献数
16
著者
大鳥 和子 福島 和代 吉田 浩子 鈴木 はる江
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.33-42, 2014-02-01 (Released:2014-02-21)
参考文献数
31

本研究は,先輩看護師の言動に対する病院勤務看護師の被害認識と被害認識に関連する要因を明らかにするために,20~30歳代女性看護師963人を対象に質問紙調査を行った.有効回答478を被害認識の有無で分類し,関連要因は属性,ローカス・オブ・コントロール,心身不調とした.結果,31.8%が被害認識あり群で,20歳代が30歳代よりも被害認識あり群の割合が高かった.30歳代と臨床経験年数10年以上の看護師は,被害認識あり群がなし群よりも外的統制傾向にあった.心身不調10項目中9項目は,被害認識あり群がなし群よりも「有」の回答の割合が高かった.先輩看護師は,自らの言動が「被害を受けた」と認識されることを自覚し,被害認識を与えない言動を行うことが重要であることと,20~30歳代女性看護師のメンタルヘルス対策には先輩看護師の言動に対する被害認識を考慮した方策を盛り込む必要性が示唆された.
著者
菊池 大典 鈴木 はる江
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.15-22, 2020 (Released:2020-06-07)
参考文献数
21

国が推進する地域医療構想の実現に向けて,訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)の需要が増す中,作業療法士(以下,OTR)の配置は必ずしも十分ではない.本研究は訪問リハに従事するOTRの職業性ストレスとその関連要因を明らかにすることを目的に,OTR101名(有効回答率78.9%)の職業性ストレスを調査し,ストレス反応と基本属性,臨床経験,ストレス要因の関連性を分析した.重回帰分析の結果,満足度がストレス反応の緩衝要因として最も影響しており,活気には正の相関(β=0.437,調整済みR2=0.305)を示し,抑うつ感(β=-0.546,調整済みR2=0.291),イライラ感,疲労感,不安感,身体愁訴には,満足度が負の相関として回帰式が得られた.このことから良好なメンタルヘルスを保つ為には,仕事と家庭に満足していることの重要性が示唆されたと共に,今後は満足度の具体的な内容を明らかにすることが,より良いメンタルヘルス対策の検討に資すると考えられた.
著者
堀田 晴美 飯村 佳織 鈴木 はる江
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.132-137, 2019 (Released:2019-09-27)
参考文献数
11

甲状腺には,交感神経と副交感神経(上喉頭神経:SLN)の節後線維が分布するが,甲状腺から分泌される種々の代謝調節ホルモンの分泌にどのように寄与するか,よくわかっていなかった.最近我々は,麻酔ラットの甲状腺静脈血を採取しながら頸部交感神経幹やSLNを電気刺激する実験により,甲状腺からのホルモン分泌が,交感神経と副交感神経の遠心性線維によって拮抗的で迅速な調節を受けること,またSLN中の有髄求心性線維の興奮が甲状腺からのホルモン分泌促進反射をもたらす可能性を示唆する結果を得た.そして,その反射を誘発する自然刺激の一つが咽頭への機械的刺激であることを新たに見出した.
著者
下出 眞知子 吉永 充代 林 縝治 鈴木 はる江 雑賀 保至
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.101-107, 2015 (Released:2015-02-28)
参考文献数
23
被引用文献数
1

維持透析患者のたんぱく摂取基準量は1.0~1.2g/kg/日 (2007年度基準) であるが, たんぱく摂取量が増えると血清リンが上昇する問題が生じる. 本研究は外来通院透析患者77例の標準化蛋白異化率nPCRの1年間平均をたんぱく摂取量とし, 0.6~0.8未満 (L群), 0.8~1.0未満 (M群), 1.0以上 (H群) の3群で血液データ, 栄養状態, 精神的負担度を比較し, 透析患者のたんぱく摂取量を心身健康科学の視点から検討した. 結果, 血清アルブミン, BMI, エネルギー摂取量および精神的負担度の不安尺度と健康生成志向尺度は3群間に差はなかった. 血清リン, カリウム, 尿素窒素はnPCRの低い群ほど有意に低く, KDQOL-SFでは社会生活機能, 心の健康, 腎疾患の日常生活への影響, 腎疾患による負担においてL群で有意に良好であった. nPCR 1.0未満は, 栄養状態を損なわず, かつ精神的負担が少なく, 血清リンを抑えられるたんぱく摂取量と考えられた.
著者
佐藤 昭夫 佐々木 光美 鈴木 はる江
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.43-52, 1985-01-01

1.はじめに 自律神経系(植物神経系または不随意神経系とも呼ばれる)は,生体にとって最も基本的な,循環,消化,代謝,分泌,体温,生殖等の諸機能を調節する重要な働きを荷っている。すなわち,自律神経系は,心臓とか腺などの器官系統,およびすべての器官の平滑筋を神経支配しており,生体の植物的機能を不随意的に統御して,ホメオスタシス(生体の恒常性)を維持している。これに対して,意識的,あるいは随意的に行われる多くの過程は体性神経系の支配を受けている。 自律神経系の中枢は脊髄と脳にあり,その信号は交感神経系と副交感神経系の遠心路を介して末梢の効果器に伝えられる(図1,左)。いずれの系においても,中枢から出たニューロンは効果器に至る間に自律神経節において最低一度ニューロンを換える。自律神経節には交感神経節あるいは副交感神経節のどちらかが知られているが,消化管においてはさらに壁内神経叢があり,そこでニューロンを換える例もある。一方,内臓からの情報は自律神経系の求心路を介して自律神経中枢に伝えられる。