著者
園部 俊晴 勝木 秀治 堤 文生
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.245-249, 2002
参考文献数
10

今回の研究の目的は,二関節筋の多関節運動におけるメカニズムを理解することである。特に,同一筋内の部位別の筋活動比の違いに着目した。二関節筋のうち大腿直筋を用いて,健常成人10名(男性6名,女性4名)を対象とし,4つの遂行運動(大腿直筋が協同的に働く①膝関節伸展,②股関節屈曲,また協同的作用と拮抗的作用を同時に果たす複合運動として③膝関節股関節同時屈曲,(④膝関節股関節同時伸展)での大腿直筋の筋活動を調べた。大腿直筋の近位部から最遠位部までの4部位の表面筋電図を筋電計を用いて測定し,遂行運動間及び,各部位における筋活動の割合を比較した。その結果,筋断面積が最大となる中間電極位置では,遂行運動間に筋活動比の差が認められなかった。また,遂行運動①②のように大腿直筋が協同的な役割のみを果たすとき,その筋活動は同一筋内の部位による変化をほとんど認めなかった。しかし,④膝関節股関節同時伸展では股関節に近い近位電極部では筋活動は小さくなり,膝関節に近い最遠位電極部では筋活動は大きくなった。同様に,③膝関節股関節同時屈曲でもそれとは逆の現象が起こっていた。筋が,隣接する関節の協同作用と拮抗作用を同時に果たすという二関節筋の場合,その同一筋内において相反神経支配に似たメカニズムが存在することが示唆された。
著者
園部 俊晴 勝木 秀治 堤 文生
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.245-249, 2002-12-20 (Released:2018-09-25)
参考文献数
10

今回の研究の目的は,二関節筋の多関節運動におけるメカニズムを理解することである。特に,同一筋内の部位別の筋活動比の違いに着目した。二関節筋のうち大腿直筋を用いて,健常成人10名(男性6名,女性4名)を対象とし,4つの遂行運動(大腿直筋が協同的に働く①膝関節伸展,②股関節屈曲,また協同的作用と拮抗的作用を同時に果たす複合運動として③膝関節股関節同時屈曲,(④膝関節股関節同時伸展)での大腿直筋の筋活動を調べた。大腿直筋の近位部から最遠位部までの4部位の表面筋電図を筋電計を用いて測定し,遂行運動間及び,各部位における筋活動の割合を比較した。その結果,筋断面積が最大となる中間電極位置では,遂行運動間に筋活動比の差が認められなかった。また,遂行運動①②のように大腿直筋が協同的な役割のみを果たすとき,その筋活動は同一筋内の部位による変化をほとんど認めなかった。しかし,④膝関節股関節同時伸展では股関節に近い近位電極部では筋活動は小さくなり,膝関節に近い最遠位電極部では筋活動は大きくなった。同様に,③膝関節股関節同時屈曲でもそれとは逆の現象が起こっていた。筋が,隣接する関節の協同作用と拮抗作用を同時に果たすという二関節筋の場合,その同一筋内において相反神経支配に似たメカニズムが存在することが示唆された。
著者
堤 文生 橋元 隆 高橋 精一郎 石橋 敏郎
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.783-783, 2003

【はじめに】理学療法士・作業療法士の教育において、専門的知識の習得のみでなく医療人としての人間性・社会性という職業への適正も重要な因子である。医療の臨床場面や教育現場での対人関係を円滑にする方法として、交流分析が活用されている。エゴグラムは、自我状態の機能分析をグラフ化したものであり、そのパターンより自分の性格特性や行動パターンの特徴を理解するものである。新入生の入学初期にエゴグラムを実施し、学年末の成績と留年及び中退に関与すると思われるエゴグラムの特徴を求め、興味ある結果を得たので報告する。【対象及び方法】対象は、平成元年より平成13年までに入学した学生498名(PT278名、OT220名:男性200名、女性298名)である。入学直後に東大式エゴグラム(TEG)を実施し、その結果と3月時の学年末成績結果(順位より上位・中位・下位とした)及び留年・退学との関連を比較検討した。なお、留年及び退学者の規定は、3年次卒業までの該当者とし述べ53名であった。27のエゴグラムパターンを類似した8型に分類し、独立性の検定を行い男女別、学科別、成績順位別、留年・退学者と進級者別に比較検討した。更に、TEGの5要素を変量として主成分分析を行い、各学生の類似性を求めた。データの入力・出力及び統計解析は、専用のソフトを自作した。【結果及び考察】新入生のエゴグラムパターンで出現率の高いのは、N型(お人好し・おふくろさん・ワーカーホリックタイプ)が21.9%、台形型(マイホーム・ボランティア・自己中心タイプ)が11.6%、NP優位型(世話やきタイプ)が11.0%、M型(昔の親分タイプ)が10.2%、V型(イライラ・空想家・忍の一字タイプ)が10.0%である。逆に出現率の低いのは、W型(自罰タイプ)、右下がり型(頑固親父・管理者タイプ)、逆N型(孤高の人・プレイボーイ・思い込みタイプ)、U型(フラストレーション・爆発・いじけやすいタイプ)である。新入生の特徴として、NPの高い学生が多く共感や思いやりの保護的な性格傾向をもっており、対患者関係においても優しい面がスムーズに表出できる。反面、CP的要素(厳しさ、批判的)が低いため自分に流されやすく義務感・責任感など社会秩序の維持能力の低さが観察される。TEGを8型に分類しχ二乗検定を行った結果、男女別(p=0.1239)、学科別(p=0.5902)、成績別(p=0.5190)と有意差を示さなかった。留年・中退生と進級生の比較では、U型及びV型が留年・中退生に多い傾向を示した(p=0.0211)。留年生群は、成績下位群と同様に、A低位型(空想家タイプ)やU型(爆発タイプ)が多く合理的・計画的な思考行動が苦手なタイプで系統だった学習方法をうまく組み立てられない学生群と思われる。中退生15名の内、成績不良以外の理由により学生は5名であったが、各学生に共通のパターンは確認できなかったことより、未然の対応の難しさを痛感する。主成分分析の結果では、CP・NP・ACが第1主成分(Z1)と、A・FCが第2主成分(Z2)と関連を有した。
著者
堤 文生 半田 一登 下畑 博正
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.51-54, 1990-01-10 (Released:2018-10-25)

毎日のリハビリ施行患者数の動向を把握することは,病院経営の面で重要なことである。リハビリ診療箋の集計作業の繁雑さは,どこの病院でも頭の痛い課題である。当院では,受付業務の省力化としてパソコンを用いてリハビリ診療箋の集計作業を行っている。今回,昭和63年4月の社会保険及び老人診療報酬の一部改定に伴い,従来のプログラムを大幅に改正したので紹介する。入力操作は,↓キー・↑キー・リターンキー・テンキーを主に用い簡素化した。