著者
塚本 健司 伊藤 裕和 林 志鋒 稲垣 修司 斎加 啓三 森 昌昭
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-13, 2003-05-25
参考文献数
12
被引用文献数
4

チャボ、シャモ、オナガドリ等の貴重な日本鶏を観賞用・品評会用に、手塩にかけて育てている愛鶏家が全国各地に多く存在する。また、地場産業活性化の一環として都道府県が開発した高級鶏肉用地鶏を、飼育し始めた養鶏家が近年増加する傾向にある。これまで鶏病研究会ではウズラ、キジ、七面鳥、ホロホロ鳥、烏骨鶏、アヒル、ガチョウ、バリケンについて、疾病と衛生対策の解説をまとめてきた。しかし、飼養規模は小さくても、飼養戸数が比較的多い愛玩鶏や地鶏の衛生対策についてはまとめられていない。そこで、鶏病研究会専門委員会では、2001年8~11月にかけて都道府県の養鶏試験場・種鶏場等、地鶏農家および愛鶏家を対象にして、愛玩鶏・地鶏の飼育や衛生対策の実態についてアンケート調査を実施した。また、鶏種によってワクチン抗体応答に違いがあるかについて調べた。本解説では、これらの情報と資料を基に、愛玩鶏・地鶏の衛生対策とその取組み方についてまとめた。
著者
塚本 健司 長谷部 誠 垣田 慎一郎 日原 宏 甲野 雄次
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.787-788, 1992

白色レグホーン種の原種をトリ白血病ウイルスの感染状態を基準に, 血清から抗体もウイルスも検出されない非感染鶏, 血清から抗体は検出されるが卵白からウイルスは検出されない感染・非排泄鶏, 卵白からウイルスが検出される感染・排泄鶏に分類し, 各群の生産性を比較した. その結果, 産卵率の低下, 卵白のハウ単位の低下, 卵殻の肥厚, 体重の軽量化等の生産阻害は感染・ 排泄鶏でのみ認められた.
著者
塚本 健司
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.43-45, 2003-05-25
被引用文献数
2

オランダとベルギーで発生した高病原性鳥インフルエンザについてProMed情報を基にまとめた。ProMed情報によれば、2003年2月28日にオランダ南東部、ドイツ国境に面したGelderland州において、高病原性鳥インフルエンザが発生し、4月26日現在までに、可能性の高いものを含めて240農場が被害を受けた。4月末日の段階で、発生地域はオランダ南東部の3州(Gelderland、Utrecht、Noord-Brabant)に広まっており、終息の目処はたっていない。死亡鶏には典型的な病変(頭部・鶏冠・肉水の水腫と全身の出血斑など)が観察され、養鶏場での死亡率(80%)も高い。発生農場の半径1km(後に3km)の円内の家禽は全て殺処分の対象であり、これまでに2400万羽が処分された(5月2日現在全鶏の24%)。また、移動禁止は当初発生農場の半径10km以内とされていたが、その後オランダ全土に拡大されており、移動禁止の対象は家禽ばかりでなく馬・牛・羊・豚も含まれている。