著者
柳原 敬 佐藤 昭二 多田 善一 大島 寛一
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.130-132, 1998 (Released:2012-08-07)
著者
金井 裕
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.9-15, 2012-09 (Released:2013-10-08)
著者
柿澤 亮三
巻号頁・発行日
vol.31, pp.13-21, 1995 (Released:2011-03-05)
著者
松下 浩一 小宮山 恆 細川 明
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.190-194, 1993 (Released:2011-03-05)
著者
衛藤 真理子
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.9-15, 2002-10-01
被引用文献数
3

わが国では、高病原性鳥インフルエンザ(家禽ペスト)は1951年の発生以来認められず、約50年間清浄状態が保たれている。しかし、海外では、1980年以降に米国、メキシコ、イタリア、香港などでの発生がある。一方、わが国には海外から年間約100万羽の初生ひな、約60万羽の愛玩鳥、約65万トンの家禽肉、約15万トンの卵、約8千トンの羽毛類が輸入されている。これら輸入動畜産物を介して家禽の重要疾病が海外から侵入する危険性は高く、動物検疫所では疾病発生国からの輸入停止措置を講じたり、動物のけい留検査や畜産物の精密検査および消毒などの措置による水際防疫を行っている。防疫対策の一つとして、2001年より中国産家禽肉等についてサンプリング検査によるウイルス保有状況調査を実施しているので、ウイルス分離の現状と分離株の性状について紹介する。また、米国では昨年末より低病原性鳥インフルエンザの発生が数州で認められているので、その発生状況とわが国の防疫対応について概説する。
著者
大久保 喜美 東條 秀徳
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.84-90, 2009-08-25
参考文献数
4
被引用文献数
1

消石灰による「待ち受け消毒」効果を検証することを目的に、消石灰粉末および1%消石灰液による踏み込み消毒について、鳥インフルエンザウイルス(AIV)ならびに病原性細菌であるSalmonella Typhimurium(ST)およびStaphylococcus aureus(SA)を用いた感作試験により、その効果を調査した。1%消石灰液をAIVに感作させると、感染性を消失させることはできたが、赤血球凝集能(HA)への影響はなかった。STに対し消石灰は粉末、1%消石灰液および0.1%消石灰液で消毒効果はみられたが、SAは容易に消毒できなかった。消石灰の消毒効果は、乾燥粉末状態であれば強アルカリ性(pH12以上)を示し長期間保たれるが、一度濡れた後乾燥すると炭酸カルシウム(炭酸Ca)へと変化し失われた。即ち、降雨にさらされる屋外での粉末散布では、降雨後晴れて地面が乾燥すれば、再度散布が必要であると示唆された。また、有効散布量は1m2当たり300g以上で、かつ均等に散布することが重要である。踏み込み消毒に用いた1%消石灰液は強アルカリ性を保持し、一般細菌や大腸菌群に対し長期間有効であった。さらに1%消石灰液に1%(v/v)の逆性石鹸を追加することで、芽胞桿菌および真菌も発育を抑制し消毒効果が増強された。以上のことから、養鶏農場外縁部および鶏舎周囲への消石灰の粉末散布は、AIV等病原性微生物を含んだ野鳥糞便の鶏舎周囲への落下および体表に病原性微生物が付着した野生生物が鶏舎に侵入する際の「待ち受け消毒」として、また1%消石灰液は鶏舎内に立ち入る人に対する「待ち受け消毒」である踏み込み消毒槽に用いる消毒剤としての有効性が確認された。
著者
片山 雅一 橋本 信一郎 渡邊 理 細川 みえ 御領 政信 伊藤 裕和
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.275-284, 2013-02-25
参考文献数
33

1992年4月から食鳥検査が施行されている。また2003年5月には食鳥検査法が改正され,食鳥検査の対象疾病が,家畜伝染病予防法の規定する監視伝染病に改められた。これにより対象疾病が拡大され,より厳密な食鳥検査の必要性が高まった。一方,食鳥検査を振り返ると,マレック病,原虫性疾患等大きく減少したが,細菌性疾病が急増している。また,食鳥肉を介したカンピロバクターによる食中毒は減少せず,公衆衛生上大きな問題となっている。これらの課題を解決していくには各自治体で公衆衛生部局と農林部局の連携が必要であると考え,食鳥検査の実態を紹介するとともに連携事例について検討した。その結果,両者が連携することにより(1),伝染病の摘発,清浄化(2),農場の生産性向上(3),処理場での廃棄率減少(4),食中毒菌の汚染状況把握(5),正確な診断,法的措置等の成果がみられていた。食鳥検査の課題を解決するためには,今後も両者のより一層の連携が必要不可欠であると考えられた。
著者
鶏病研究会
巻号頁・発行日
1966
著者
鶏病研究会
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 = Journal of the Japanese Society on Poultry Diseases (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.179-192, 2013

鶏病研究会では,養鶏場の実情に対応した衛生対策として総合ワクチネーションプログラムを策定して,1994年に発表した。その後,発生疾病の多様化や輸入ワクチンの規制緩和等に伴って新たなワクチンが開発あるいは輸入販売されたこと,さらに新たな疾病に対するワクチンや多くの抗原を配合した混合ワクチンが製造販売されたことに対応して,それぞれ1999年および2006年に改訂した。この総合ワクチネーションプログラムは,鶏病研究会の編集による「鳥の病気」にも「鶏のワクチネーションプログラム」として収載されており,2010年5月に発行された「鳥の病気第7版」では2006年の鶏病研究会報第42巻第1号のデータに,新たに2010年1月4日時点で販売されているワクチンのデータを加えた上で若干の改訂を施し収載した。今回の改訂では,「鳥の病気第7版」での改訂も踏まえた上で,現在市販されているものに2012年12月末までに新たに製造販売承認され,2013年に販売予定されているワクチンを加え,総合ワクチネーションプログラムを策定した。それらの中には,マイコプラズマ・シノビエといったこれまでワクチンが適用されていなかった感染症に対するワクチンや,サルモネラ・エンテリティディス抗原やサルモネラ・ティフィムリウム抗原に加えてサルモネラ・インファンティス抗原を含んだ鶏サルモネラ症ワクチンだけではなく,粘膜免疫システムを活性化するアジュバントを用いた粘膜投与型不活化抗原ワクチン,遺伝子欠損弱毒細菌生ワクチンが登場する。また,末尾の鶏用ワクチン一覧に収載するワクチンについても,2012年12月31日現在で承認され2013年以降の販売が予定されているワクチンに再整理した上で,「鶏の病気第7版」と同様に鶏用診断液一覧も収載した。さらに,2008年10月よりワクチン製造用株および製造用ウイルス株を増殖させるための製造用細胞株等についての規格を設定するとともに,その継代に許容制限を設け,GMPに基づく製造および品質管理の下でワクチン製造を行う一連の製造体系であるシードロット(SL)システムが導入された。これにより,SLシステムによって製造されたワクチンの一部については,国家検定の対象から除外されることとなった。(参考文献:日獣会誌,2010,63,234~241)したがって,国家検定の対象外となったワクチンについては,有効期間の起算点が検定合格後から製造後となり,表記が変更されたものもあることから,混乱を避けるために有効期間の記載を削除した上で,それぞれのワクチンの製品名を記載した。また,アジュバントを含む製剤のうち,食鳥処理場へ出荷のため使用してはいけない期間(使用制限期間)が21日以上のものについては,使用制限期間も追加記載した。
著者
伊藤 壽啓
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 = Journal of the Japanese Society on Poultry Diseases (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1-6, 2017-09

2016年11月,H5N6亜型のウイルスによる高病原性鳥インフルエンザが青森県下で発生した。本亜型のウイルスによる発生は我が国では初めてであったが,高病原性鳥インフルエンザの国内発生としては,およそ2年ぶりのことであった。その後,本年3月までの約4カ月間に1道8県において合計12事例が報告されたが,いずれの発生においても,早期通報とその後の的確な初動対応がなされ,二次的な流行拡大は一切認められなかった。そのため,2017年6月28日をもって,我が国はOIEの規約に基づき,清浄国への復帰を果たしている。しかしながら,これまでの諸外国の流行状況をみると,来シーズンも我が国への新たなウイルスの侵入リスクは依然として高いと言わざるを得えない。農林水産省は近頃公表した疫学調査チーム報告書の中で,今後の我が国の高病原性鳥インフルエンザ防疫対策の更なる強化に向けた提言をまとめている。
著者
杉田 昭栄
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.81-89, 2004 (Released:2011-03-05)
著者
竹原 一明 江口 郁夫 種市 淳 鴻巣 泰 渡辺 理 斉加 啓三 山田 淳志
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.14-21, 2003-05-25
参考文献数
9
被引用文献数
2

昨今の諸外国での鳥インフルエンザの発生、わが国での大規模養鶏場等におけるニューカッスル病の発生、また、加齢により産卵能力の低下した親鳥(廃鶏)のレンダリング化などに際して、わが国においても、鶏の大量殺処分および処分鶏の適正な処理方法が求められている。そこで、鶏病研究会では、実際に大規模養鶏場において大量殺処分を実施するにあたり、どのような留意点があるか、作業上の問題点、防疫上の問題点、動物福祉の観点から整理し、さらに、殺処分鶏の処理方法に関し、「家畜伝染病予防法(以下、家伝法」ならびに「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃掃法)」等を参照し、疾病の予防、まん延防止や環境保全の観点からも検討し、わが国で実施可能な「鶏の大量殺処分および処分鶏の適正な処理方法」をとりまとめた。実際の適用に当たっては、既存の法令に照らし合わせて、実施することとなるため、各自治体の関係部署による指導の下に適切な処置をとる必要がある。本解説は、具体的な鶏の大量殺処分および処分鶏の適正な処理方法の現状と問題点を概説したものであり、今後必要に応じ参考にして頂きたい。
著者
米田 久美子
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 = Journal of the Japanese Society on Poultry Diseases (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.7-15, 2017-09

2016年度の野鳥における高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染は全国で218件確認され,検査数に対する感染確認率は8.6%であった。過去に最大であった2010年度の64件,1.1%と比較すると大幅な増加であり,野鳥での感染の広がりは,野鳥への影響および家禽への感染リスク増加の観点から懸念される。また2016年度の発生では給餌下のハクチョウ類の継続的集団発生が複数例確認された。2010年度の感染確認種との比較から,原因ウイルスの野鳥に対する感染性および病原性の変化が推測された。また,2010年度,2014年度,2016年度の感染確認地点から,野鳥によるウイルスの国内での移動経路を考察した。
著者
谷村 信彦 御領 政信 佐藤 優 星野 富男 鴻巣 泰 片岡 稔雄 渡邊 紀之 小谷 猛夫 渡邊 理
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.125-135, 2002-11-25
参考文献数
81
被引用文献数
2

近年の養鶏産業においては、規模拡大と飼育密度の増大に伴う飼育環境の悪化によって日和見感染症や複合感染症あるいは非感染性疾病が増加する傾向にあり、これはブロイラーの皮膚疾病にも当てはまる。皮膚病変を有する鶏は食鳥検査時にと体の品質の格下げ、部分廃棄または全廃棄処分となるため、皮膚病変による廃棄率を低減することはブロイラー産業にとって重要な課題である。また、皮膚病変部に付随する微生物が食鳥処理場に持ち込まれると鶏肉の安全性を損なう可能性があり、食鳥処理場における微生物制御の観点からもブロイラー農場で皮膚疾病の発生を抑える衛生対策が必要である。ブロイラーの皮膚疾病は、病原微生物および宿主要因、環境要因などが複合して発症に関与し、病変も多様である。対策は各々の疾病の原因に基づいて選択しなければならないが、原因や発病機序が未解明の疾病もある。これらの諸問題を整理し、農場における衛生管理および食鳥検査時の疾病摘発に資するため、食鳥検査で廃棄原因となり得る主要な皮膚疾病について病変の特徴および病因、対策を概説する。
著者
塚本 健司 伊藤 裕和 林 志鋒 稲垣 修司 斎加 啓三 森 昌昭
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-13, 2003-05-25
参考文献数
12
被引用文献数
4

チャボ、シャモ、オナガドリ等の貴重な日本鶏を観賞用・品評会用に、手塩にかけて育てている愛鶏家が全国各地に多く存在する。また、地場産業活性化の一環として都道府県が開発した高級鶏肉用地鶏を、飼育し始めた養鶏家が近年増加する傾向にある。これまで鶏病研究会ではウズラ、キジ、七面鳥、ホロホロ鳥、烏骨鶏、アヒル、ガチョウ、バリケンについて、疾病と衛生対策の解説をまとめてきた。しかし、飼養規模は小さくても、飼養戸数が比較的多い愛玩鶏や地鶏の衛生対策についてはまとめられていない。そこで、鶏病研究会専門委員会では、2001年8~11月にかけて都道府県の養鶏試験場・種鶏場等、地鶏農家および愛鶏家を対象にして、愛玩鶏・地鶏の飼育や衛生対策の実態についてアンケート調査を実施した。また、鶏種によってワクチン抗体応答に違いがあるかについて調べた。本解説では、これらの情報と資料を基に、愛玩鶏・地鶏の衛生対策とその取組み方についてまとめた。
著者
翁長 友理子 高吉 克典 瀬底 正治
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 = Journal of the Japanese Society on Poultry Diseases (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.223-227, 2013

沖縄県では約148万羽の鶏(ひなを含む)が飼育されており,その98.6%が1,000羽以上飼養のいわゆる一般農家で飼育されている。一方,飼養規模別の戸数割合で見た場合,100羽から1,000羽を飼養する小規模農家と,100羽未満の愛玩的に鶏を飼養する小羽数飼養者が501戸中450戸と実に90%以上を占めている。このような飼養形態の中で,一般農家における146万羽余の鶏が適切な衛生対策の下で飼育されていても,小規模農家や小羽数飼養者が飼養する約20,000羽の鶏において,ニューカッスル病(以下,ND)等のワクチンが接種されていない事例が多いことから,NDの発生リスクが懸念されている。沖縄県内でのひなの流通はほとんどが初生ひなであり,ひな購入後は飼養者が自家育成を行い,採卵鶏として供用する。一般農家においては,その間にNDワクチンを含む各種予防接種が行われるが,小規模農家においては1,000羽単位でのワクチン購入に対するコスト高への懸念があること,小羽数飼養者においては,NDという病気のことすら知らずに飼育する人も多く,最低限必要な衛生対策が何ら講じられていないのが現状であった。さらにその流通実態を調査すると,初生ひなを共同購入していたり,採卵鶏や廃鶏の販売・譲渡を行うなど,ひな導入から廃鶏処理までのいずれのステージにおいても小規模農家から小羽数飼養者への鶏の転売が行われており,その大半はワクチン未接種鶏であることが問題となっていた。その為,ひなを導入している小規模農家においていかにNDワクチンを接種させるかが,結果的に小羽数飼養者への対策にもつながっていくのではないかと考えられた。
著者
Leok Chen Sau 井上 勇 正村 京子 武田 繁幸 DARMAN H.
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.181-187, 2001-02-25
参考文献数
11
被引用文献数
1

1995年9月から1998年9月の間,インドネシアの3地区で地鶏に寄生している眼虫の疫学調査と分離虫体の同定および病理学的観察を行った。その結果,眼虫の検出率はジャワ島ボゴール地区20%,スマトラ島バンダルランポン地区93.3%およびカリマンタン島バンジャルバル地区6.7%であった。分離虫体は口唇がなく,口腔はひょうたん形で頭部側方に1対,正中面に2対の乳頭が,また尾部にも肛門前に4対,肛門後方に2対の乳頭がみられた。雄虫の体長は12.64±2.80mm,交接刺は左右の長さおよび形が著しく異なっていた。雌虫の体長は13.55±2.44mmで,子宮内には無数の含子虫卵が充満していた。以上の形態学的特徴から,今回インドネシアの地鶏の眼から検出した線虫をマンソン眼虫Oxyspirura mansoniと同定した。病理組織学的には虫体寄生鶏の眼結膜に細胞浸潤,リンパ濾胞形成,粘膜上皮の剥離脱落,細胞の空胞化,肥厚および結膜のポリープ状が観察され,慢性結膜炎および濾胞性結膜炎の病変がみられた。