著者
金子 治 塚田 弘行 石川 好江 川口 由起子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.44-51, 1997-03-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
14
被引用文献数
4 2

肌のくすみはよく知られた現象であり多くの女性にとって美容上の悩みの1つである。しかしながら, くすみの生理学的定義や発生メカニズムについてはいまだ定説がない。そうした中でメラニン色素や, ヘモグロビンの量の変化がくすみの原因の1つであるとされているが, その関連は明確にされていない。見た目で感じるくすみは, 心理物理的現象であり, 皮膚から反射された光そのものを調べてみる必要がある。著者らは, 見た目で感じるくすみに寄与する因子を抽出するために, 皮膚から反射される光の分光反射率を線形で表現することを試み, くすみの視感評価結果と, メラニン量や血流を反映する皮膚反射光の分光特性との間に, 有意な相関を見いだした。