著者
金子 治 川口 由起子 石川 好江 稲垣 和正
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.429-438, 1997-12-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
9
被引用文献数
3

加齢にともなう肌表面の物理特性-凹凸や透明度-の変化と, 目で見て感じるくすみとの関連を明らかにすることを目的として, 肌表面微小凹凸度と皮膚分光透明度という2つの物理特性値を新たに定義し, その数量化の方法を考案するとともに, 前報で報告したくすみ度Yと, それら2つの物理特性値間の相関関係を調べた。結果として, メラニンの多寡による呈色度合いM1と血流・血行のよしあしM3のほかに肌表面微小凹凸度, 皮膚分光透明度という2つの物理特性値を新たに追加することによって, 目で見て感じるくすみをより精緻に, より客観的に数値化できることを示唆するデータが得られた。
著者
金子 治 塚田 弘行 石川 好江 川口 由起子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.44-51, 1997-03-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
14
被引用文献数
4 2

肌のくすみはよく知られた現象であり多くの女性にとって美容上の悩みの1つである。しかしながら, くすみの生理学的定義や発生メカニズムについてはいまだ定説がない。そうした中でメラニン色素や, ヘモグロビンの量の変化がくすみの原因の1つであるとされているが, その関連は明確にされていない。見た目で感じるくすみは, 心理物理的現象であり, 皮膚から反射された光そのものを調べてみる必要がある。著者らは, 見た目で感じるくすみに寄与する因子を抽出するために, 皮膚から反射される光の分光反射率を線形で表現することを試み, くすみの視感評価結果と, メラニン量や血流を反映する皮膚反射光の分光特性との間に, 有意な相関を見いだした。