著者
川口 由起子
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.101-116, 2001
被引用文献数
1

In this paper, I have explicated the logical relation between the Maxims and the Cooperative Principle (CP, hereafter) as stipulated in Grice's theory of conversation. First, by showing the existence of cases where the CP is followed but the relevant maxim is not, I have shown that those maxims are logically independent from the CP. Second, the Maxim of Relation (MR, hereafter) has been misleadingly conceived to provide the basic notion of "relevance" for the theory of conversation. But, when a speaker, while deviating from the MR, or failing to "be relevant" literally, still follow the context in some sense or other, it must be another kind of "relevance" that is highlighted. That kind of "relevance" in conversation is required by the CP. I have called this kind of relevance CONNECTEDNESS as opposed to the RELEVANCE as required by the MR.
著者
金子 治 川口 由起子 石川 好江 稲垣 和正
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.429-438, 1997-12-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
9
被引用文献数
3

加齢にともなう肌表面の物理特性-凹凸や透明度-の変化と, 目で見て感じるくすみとの関連を明らかにすることを目的として, 肌表面微小凹凸度と皮膚分光透明度という2つの物理特性値を新たに定義し, その数量化の方法を考案するとともに, 前報で報告したくすみ度Yと, それら2つの物理特性値間の相関関係を調べた。結果として, メラニンの多寡による呈色度合いM1と血流・血行のよしあしM3のほかに肌表面微小凹凸度, 皮膚分光透明度という2つの物理特性値を新たに追加することによって, 目で見て感じるくすみをより精緻に, より客観的に数値化できることを示唆するデータが得られた。
著者
金子 治 塚田 弘行 石川 好江 川口 由起子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.44-51, 1997-03-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
14
被引用文献数
4 2

肌のくすみはよく知られた現象であり多くの女性にとって美容上の悩みの1つである。しかしながら, くすみの生理学的定義や発生メカニズムについてはいまだ定説がない。そうした中でメラニン色素や, ヘモグロビンの量の変化がくすみの原因の1つであるとされているが, その関連は明確にされていない。見た目で感じるくすみは, 心理物理的現象であり, 皮膚から反射された光そのものを調べてみる必要がある。著者らは, 見た目で感じるくすみに寄与する因子を抽出するために, 皮膚から反射される光の分光反射率を線形で表現することを試み, くすみの視感評価結果と, メラニン量や血流を反映する皮膚反射光の分光特性との間に, 有意な相関を見いだした。
著者
川口 由起子
出版者
植草学園大学研究委員会
雑誌
植草学園大学研究紀要 (ISSN:18835988)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.85-96, 2020

<p> 本稿の分析の対象は,人権侵害に関する苦情や批判を直接のきっかけとして謝罪に至る日本国内の広告等の発行物の文章事例である。本稿の目的は,その謝罪の発信者の伝達内容と意図に対して,日常会話理解の理論における話し手の意図概念を用いた分析が適用可能か,検討することである。語用論先行研究では,推論的に導出される非字義的内容は取り消し可能であるとされてきた。本稿は,2019 年の1 文章事例で,聞き手が導出する非字義的内容の取り消しを認めない批判が存在することを確認し,先行研究の事例と比較検討した結果,当該事例では取り消し可能性の問題が発話と話し手を対象とする道徳的非難と倫理的免責性に関連していること,および,先行研究における意図概念と取り消し可能性の議論に修正が必要であることを示した。</p><p>スマートフォン等からインターネット上の情報にアクセスしやすくなり<sup>2)</sup>,SNS(ソーシャルネットワークサービス)等で低コストで意見が発信できるようになった。その結果,公メッセージに対する迅速かつ多数の批判が容易になり,いわゆる「炎上」状態に至ることもある。批判を受けた公メッセージの撤回の告知や謝罪も,紙媒体だけでなくウェブサイトやSNS 公式アカウント等で発信されるようになった。これらの結果,公メッセージと,批判を受</p><p>けて取り下げ謝罪をする場合の告知の両方が,広く一般市民の目に触れることとなった。</p>
著者
川口 由起子
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.101-116, 2001-11-10 (Released:2009-05-29)
被引用文献数
1

In this paper, I have explicated the logical relation between the Maxims and the Cooperative Principle (CP, hereafter) as stipulated in Grice's theory of conversation. First, by showing the existence of cases where the CP is followed but the relevant maxim is not, I have shown that those maxims are logically independent from the CP. Second, the Maxim of Relation (MR, hereafter) has been misleadingly conceived to provide the basic notion of "relevance" for the theory of conversation. But, when a speaker, while deviating from the MR, or failing to "be relevant" literally, still follow the context in some sense or other, it must be another kind of "relevance" that is highlighted. That kind of "relevance" in conversation is required by the CP. I have called this kind of relevance CONNECTEDNESS as opposed to the RELEVANCE as required by the MR.
著者
大谷 卓史 村上 祐子 川口 由起子 川口 嘉奈子 永崎 研宣 坪井 雅史 吉永 敦征 芳賀 高洋
出版者
吉備国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究においては、①最新の社会・技術動向に照らして大学教養課程向けの情報倫理学教科書を改訂して基本的な情報倫理学概念を確認し、②情報倫理学の歴史を整理し、あわせて、③プライバシーと自己決定権に関する議論を概観したうえで、④ソーシャルメディアによる個人をターゲットとした世論操作の可能性や、⑤サーチエンジンの検索結果表示アルゴリズムなどによるプライバシーや自律への影響の問題などの考察を行った。これらの成果を踏まえ、研究成果の一部を書籍として刊行した。同書『情報倫理-技術・プライバシー・著作権』(みすず書房)は、公益財団法人電気通信普及財団第33回(2017年度)テレコム社会科学賞奨励賞を受賞した。