著者
谷本 正智 水野 雅康 塚越 卓 田村 将良 磯山 明宏 渡邉 晶規
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.383-390, 2008 (Released:2008-07-28)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

〔目的〕不動による関節拘縮後の廃用性筋萎縮に対する持続伸張運動が電気生理学的所見に及ぼす影響を明らかにするため実験を行った。〔対象・方法〕8週齢のWistar系雄ラット30匹を無処置の対照群5匹(以下,C群)と膝関節を4週間内固定し拘縮モデルを作製する実験群25匹に分け,さらに実験群は,1)4週間の不動終了直後にデータを測定した廃用群(以下,D群),2)不動期間終了後,4週間の通常飼育後にデータを測定した4NS群,ならびに8週間通常飼育後にデータを測定した8NS群,3)不動期間終了後,通常飼育に加え徒手的な持続伸張運動を4週間実施した後にデータを測定した4S群,ならびに8週間持続伸張運動を実施した後にデータ測定する8S群の5群に分けた。各期間終了後,膝関節可動域,ハムストリングス筋線維径,電気生理学的所見として単一筋線維筋電図(Single Fiber Electromyography: 以下,SFEMG)の指標を用いて経時的変化を検討した。〔結果〕電気性理学的改善は,4S群と8S群にて有意に持続伸張運動の効果を認め,膝関節可動域と筋線維径は8S群のみに有意な改善を認めた。