著者
寺元 芳子 塩田 育子 松元 文子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.384-388, 1966-02-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
5

1. 完全糊化した澱粉糊は半糊化のものにくらべ、粘弾性、ゲル化速度が大で調理操作可能範囲が狭い。したがって、くずざくらは半糊化の澱粉糊で、あんを包み蒸して完全糊化させる方がよい。2. 半糊化にする方法は全体を半糊化にするよりも一部を完全糊化させ、残りを懸濁液のままで混ぜ合わせる方が調製しやすい。ただし馬鈴薯澱粉糊は流れやすいため、全体を半糊化にする方がよい。3. 単独澱粉では次のような欠点が認められる。くず澱粉…手に付着しやすい。馬鈴薯澱粉…流れやすく成形しにくい。玉蜀黍澱粉…くず澱粉に類似している。4. 単独澱粉の欠点を補うために澱粉を混合して用いることは効果がある。混合割合は、くずと馬鈴薯澱粉、玉蜀黍と馬鈴薯澱粉とも3:1がくずざくらに対しては実用的配合と考えられる。