著者
別府 万寿博 三輪 幸治 大野 友則 塩見 昌紀
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.178-191, 2007 (Released:2007-03-20)
参考文献数
16
被引用文献数
4 3

本研究は,鋼製の剛飛翔体がコンクリート板に高速度で衝突した際に生じる局部破壊について検討を行ったものである.まず,高速衝突実験を行うために,質量50g~1000gの飛翔体が衝突速度約100~500m/sとなる性能を有する高圧空気式発射装置を開発した.次に,この装置を用いて普通および高強度コンクリート板に対する高速衝突実験を行い,飛翔体の衝突速度やコンクリート板の板厚・強度の相違が破壊に及ぼす影響を調べた.実験の結果,衝突速度および板厚の大小によってコンクリートの破壊モードが変化することが明らかとなった.また,表面破壊,裏面剥離の破壊プロセスを高速度ビデオカメラで可視化し,破壊の様子を観察するとともに,破壊が進展する際の条件について考察した.
著者
大野 友則 大山 浩代 別府 万寿博 塩見 昌紀
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A (ISSN:18806023)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.875-888, 2008 (Released:2008-11-20)
参考文献数
24

煙火工場等の火薬類を貯蔵する火薬庫の建設においては,万が一の爆発に際しても周辺への安全を確保する必要性から保安距離が定められている.保安距離は自由空間中における爆発事象を基準として定められているが,堅固な鉄筋コンクリート造の周囲を覆土した覆土式火薬庫の内部爆発事象は自由空間での爆発とは異なるはずである.本研究は,爆発実験室で模型火薬庫を用いた爆発実験を行い,構造物の破壊や爆風圧の大きさに及ぼす覆土の効果について検討を行っている.模型火薬庫試験体は実規模の約1/20の縮尺とし,C4爆薬を試験体内部で爆発させた.実験では,覆土の厚さおよび爆薬量をパラメータとした.実験結果に基づいて覆土の有無や厚さが爆風圧に及ぼす効果を考察し,換算距離と最大爆風圧の関係を求め,現行の保安距離に係る規定との比較を行った.