著者
瀬戸 美江 塩谷 知華 澤田 崇子 藤本 健四郎
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.15-21, 2007-02-20
被引用文献数
3 4

世帯構成の違いが,高齢者の食生活にどのような影響を及ぼしているかを検討した。世帯タイプ別の構成割合は夫婦のみの世帯数が最も多く,次いで三世代同居世帯,単独世帯の順であった。アンケート調査では,夫婦のみの世帯が最も食事への満足度が高かったが,食事調査では単独世帯や夫婦のみの世帯では,食事摂取基準値に対する不足が懸念された。三世代同居世帯の高齢者は「好きなおかずがない」ことを不満に感じているが,調理者は「好む料理を作る」ことを最も配慮・工夫しており,世代の異なる家族の嗜好を満足させることの難しさを何うことができた。また,単独世帯の高齢者は家族と会話がないことを不満としており,会話が食事にとっていかに重要かということも分かった。