著者
須谷 和子 志垣 瞳 池内 ますみ 澤田 崇子 長尾 綾子 升井 洋至 三浦 さつき 水野 千恵 山下 英代 山本 由美
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.416-426, 2015 (Released:2016-01-04)
参考文献数
26
被引用文献数
1

NHK「きょうの料理」に掲載された中から煮物レシピを抽出し,煮物に関する変遷を明らかにした。1960年度から15年間隔で収集した42冊を資料とした。料理総数3,373件のうち煮物は535件(15.9%)を占め,特に1975年度は和風煮物が74.8%であった。煮物で使われる主材料は野菜類がもっとも多く,だいこんはどの年代においても使用頻度が高かった。肉類では,牛肉・豚肉・鶏肉がよく使われ,年代で順位は変化した。 煮物のレシピは,食生活の変化とそれに伴った健康志向・簡便化志向を意識したものになっていた。
著者
瀬戸 美江 澤田 崇子 遠藤 金次
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.219-224, 2003-08-20
被引用文献数
5

A comparison of the salt concentration in miso soup made by the families of female students in Nagasaki and Osaka showed that it was higher in Nagasaki (1.25%) than in Osaka (0.83%). This low salt concentration in Osaka is considered to be due to the quantity of miso used, being about half that used in Nagasaki, although the salt content of the powdered stock used in Osaka was higher than that used in Nagasaki. We next studied whether the use of more concentrated stock led to a lower salt concentration in miso soup or not. The salt concentration in miso soup decreased with increasing concentration of the stock, and it was reduced by 0.16% by preparing the stock with 2〜3%, rather than 0.5%, of dried bonito shavings. We found that miso soup with a salt concentration of 0.8〜1.0% could be prepared by extracting 1 cup of dried bonito shavings with 1 cup of water and dissolving 2 teaspoonfuls (10cc) of miso per person.
著者
澤田 崇子 舘 郁代 遠藤 金次
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.747-752, 1993-09-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
16

シイタケの加熱調理過程における5'-Nt蓄積におよぼすpHやシ翼糖および食塩添加の影響について検討した.その結果は次のように要約できる.(1) 加熱調理時の5'-Nt蓄積量はシイタケのpHによって異なり, pH6.5前後のとき, 5'-Nt量は最大となった.(2) ショ糖および食塩存在下で水もどし後, 加熱調理を行ったシイタケの5'-Nt蓄積量は無添加の場合に比べ少なかった.(3) ショ糖および食塩の濃度の異なる諸条件で干しシイタケを加熱調理した場合, 加熱終了後の総吸水量および昇温過程における50-80℃の温度域での脱水量と5'-Nt蓄積量との間に密接な関係が認められた.
著者
花崎 憲子 志垣 瞳 辻 郁代 山本 山美 池内 ますみ 奥田 展子 川井 考子 瓦家 千代子 澤田 崇子 深蔵 紀子 升井 洋至 丸山 悦子 水野 千恵 山下 英代 川田 克子 横溝 佐衣子 四谷 美和子 冨岡 和子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.71-76, 2004

関西における煮る調理に関する実態を把握することを目的として,2000年10月に,関西の大学・短大の学生を通してその家雄の調理担当者を対象にアンケート調査を行い,煮ものを食べる頻度,家庭で作る頻度,購入する頻度,作る煮ものの種類と使用される調味料などについて検討した. 得られた結果は次の通りである.(1)調理に費やす時間は,朝食は短く,夕食には時間をかけていた.(2)煮ものを食べる頻度および家庭で作る頻度は,いずれも「週3~4回以上」が多く60%を占めた.また,夕食の調理時間が長いほど煮ものを作る頻度が高くなることが認められた(ρ<0.001).(3)煮ものを「食べる頻度」「家庭で作る頻度」と年代との関係は,10,20歳代の若い年代層はともに低く,親の年代層は高かった.(4)家庭で作る煮ものでは,「肉じゃが」「かぼちゃの煮もの」「煮魚」「ひじきの煮もの」「筑前煮」「だいこんの煮もの」が多く,購入する煮ものでは「ひじきの煮もの」「おからの煮もの」「だいずの煮もの」が多かった.(5)煮ものの調味料は「基本調味料」が71%,「市販混合調味料」が1 0 % , 「使い分ける」が1 9 % であった.(6)煮もののだしは,「だしをとる」より「だしの素を使う」人が多かった.(7)煮ものに使う醤油としてこいくちは「豚の角煮」「牛肉しぐれ煮」「煮魚」「ひじきの煮もの」「ぜんまいの煮もの」「なすの煮もの」など,うすくちは「高野豆腐の煮もの」「えんどうの煮もの」「おからの煮もの」「たけのこの煮もの」「さやいんげんの煮もの」などこいくちとうすくちは「肉じゃが」「筑前煮」「だいこんの煮もの」などに併用されていた.醤油の種類は食材によって使い分けがされていた.
著者
瀬戸 美江 神田 聖子 澤田 崇子 藤本 健四郎
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.251-253, 2006-08-20
被引用文献数
1

食事ごとに使用するたんぱく質供給源食品である魚介類,肉類,卵類,大豆・加工品に対して,緑黄色野菜0.5倍以上,その他の野菜1.0倍以上使用することが,調理をする上で,野菜350g摂取を習慣化するための実践的な方法の一つではないかと考える。
著者
瀬戸 美江 塩谷 知華 澤田 崇子 藤本 健四郎
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.15-21, 2007-02-20
被引用文献数
3 4

世帯構成の違いが,高齢者の食生活にどのような影響を及ぼしているかを検討した。世帯タイプ別の構成割合は夫婦のみの世帯数が最も多く,次いで三世代同居世帯,単独世帯の順であった。アンケート調査では,夫婦のみの世帯が最も食事への満足度が高かったが,食事調査では単独世帯や夫婦のみの世帯では,食事摂取基準値に対する不足が懸念された。三世代同居世帯の高齢者は「好きなおかずがない」ことを不満に感じているが,調理者は「好む料理を作る」ことを最も配慮・工夫しており,世代の異なる家族の嗜好を満足させることの難しさを何うことができた。また,単独世帯の高齢者は家族と会話がないことを不満としており,会話が食事にとっていかに重要かということも分かった。
著者
山田 正子 細山田 康恵 山内 好江 瀬戸 美江 澤田 崇子 藤本 健四郎
出版者
千葉県立保健医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

給食施設等で使用されているメラミン樹脂製食器からのホルムアルデヒドの溶出量および放散量を洗浄回数の影響も含めて知ることを目的に研究を行った。まず、給食施設を対象に、温冷配膳車の設定温度の調査した。その結果、温冷配膳車の保温の設定温度は65℃が最も多く、保冷設定温度は5℃が最も多かった。そこで、メラミン樹脂製食器の加温条件は65℃とした。次に、アセチルアセトン法によりホルムアルデヒドの溶出量の測定を行ったが、測定方法が適さなかったためか測定をすることができなかった。そのため、測定方法を検討し、ホルムアルデヒドを2,4-ジニトロフェニルヒドラジンで誘導体化し測定する方法により測定を継続中である。