- 著者
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花崎 憲子
志垣 瞳
辻 郁代
山本 山美
池内 ますみ
奥田 展子
川井 考子
瓦家 千代子
澤田 崇子
深蔵 紀子
升井 洋至
丸山 悦子
水野 千恵
山下 英代
川田 克子
横溝 佐衣子
四谷 美和子
冨岡 和子
- 出版者
- 一般社団法人 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.1, pp.71-76, 2004
関西における煮る調理に関する実態を把握することを目的として,2000年10月に,関西の大学・短大の学生を通してその家雄の調理担当者を対象にアンケート調査を行い,煮ものを食べる頻度,家庭で作る頻度,購入する頻度,作る煮ものの種類と使用される調味料などについて検討した. 得られた結果は次の通りである.(1)調理に費やす時間は,朝食は短く,夕食には時間をかけていた.(2)煮ものを食べる頻度および家庭で作る頻度は,いずれも「週3~4回以上」が多く60%を占めた.また,夕食の調理時間が長いほど煮ものを作る頻度が高くなることが認められた(ρ<0.001).(3)煮ものを「食べる頻度」「家庭で作る頻度」と年代との関係は,10,20歳代の若い年代層はともに低く,親の年代層は高かった.(4)家庭で作る煮ものでは,「肉じゃが」「かぼちゃの煮もの」「煮魚」「ひじきの煮もの」「筑前煮」「だいこんの煮もの」が多く,購入する煮ものでは「ひじきの煮もの」「おからの煮もの」「だいずの煮もの」が多かった.(5)煮ものの調味料は「基本調味料」が71%,「市販混合調味料」が1 0 % , 「使い分ける」が1 9 % であった.(6)煮もののだしは,「だしをとる」より「だしの素を使う」人が多かった.(7)煮ものに使う醤油としてこいくちは「豚の角煮」「牛肉しぐれ煮」「煮魚」「ひじきの煮もの」「ぜんまいの煮もの」「なすの煮もの」など,うすくちは「高野豆腐の煮もの」「えんどうの煮もの」「おからの煮もの」「たけのこの煮もの」「さやいんげんの煮もの」などこいくちとうすくちは「肉じゃが」「筑前煮」「だいこんの煮もの」などに併用されていた.醤油の種類は食材によって使い分けがされていた.