著者
若本 純子 増坪 玖美
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PC-080, 2021 (Released:2022-03-30)

若い世代のTwitter利用は自分の趣味や好きなものの情報交換のために活用されている(総務省,2017)。本研究では現実には会ったことのない相手とTwitterで交流する場面において,相手への好意や自己開示が何によって規定されるかを明らかにすることが目的である。現実場面における対人魅力の規定因である類似性と近接性を,推し対象の類似性,居住地の近接性として導入し,2(推し対象の類似性高・低)×2(居住地近接・遠方)を被験者間要因とするオンライン調査を実施した。2大学の学生と Twitter上で協力者を募集し,286名から同意を得た。2要因分散分析の結果,推し対象の類似性と居住地の近接性の主効果が有意であり,好意的なやりとりを前提としたTwitter交流は現実場面と類似すると推測された。さらにオタクジャンルをドルオタと二次元オタに分けて検討したところ,二次元オタのみで交互作用が有意であり,ドルオタは近くに住む相手と生活にかかわる開示をし推し活動に繋げると推測されたのに対し,二次元オタは推しが一致しない場合,現実にかかわる交流は低調であることが示唆された。