著者
小林 高英 苦瀬 博仁 橋本 一明
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.11, pp.121-128, 2003-05-15 (Released:2011-03-14)
参考文献数
28

人が都市で生活するためには、物資の供給が必要不可欠である。鉄道や自動車がなかった時代では、内陸部での大量の輸送物資を輸送するのに、河川による舟を利用していた。従来は、河川舟運そのものの発展と衰退や、河岸や川舟に関する研究は多いが、物流システムに着目したものは少ない。そこで本研究では、物流システムの視点から、江戸期の河川舟運の発展の背景と、輸送物資や河岸の立地の特徴を明らかにする。
著者
小野 秀昭
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.16, pp.73-80, 2008-05-28 (Released:2011-03-14)
参考文献数
4
被引用文献数
1

トラック運送業界は、物流二法施行以降、現在まで多数の参入が続いており、既に6万社を超えている。トラック運送業界では一部の大手事業者の他は、中小零細事業者が圧倒的に多く、大手元請業者による下請への運送再委託が常態化している。本研究では、当業界の取引構造、特に元請、下請、孫請といった運送取引の多層化に焦点を当て、その実態を明らかにするとともに、多層化指標の定義と指標算出を行った。また、多層取引がトラック運送事業へ与えている影響について、メリットとデメリットの視点から検討を行った。
著者
志水 茂 高橋 洋二
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.141-148, 2006-05-28 (Released:2011-08-16)
参考文献数
12
被引用文献数
1

本研究では広域貨物流動を対象に高速道路の利用選択が所要時間に料金・燃費を加えた一般化費用でどの程度説明できるかを確認すること目的とした。このため、道路距離、輸送時間、費用、輸送品類・品目、地域条件等を盛り込んだ高速道路利用分担モデルを作成した。モデルにより、一般化費用の変化による高速道路利用率への影響は自家用よりも営業用のほうが大きいこと、自家用では道路距離、流動量の品類・品目が高速道路利用選択に寄与することが示された。また、高速道路料金の割引は、自家用トラックに比べ営業用トラックで高速道路利用率の増加が大きいことがモデルを使用した試算により明らかにされた。
著者
小野 秀昭
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.10, pp.41-48, 2002

国内景気を判断する短観、とりわけ日本銀行により作成される「日銀短観」は景気の判断として最も注目されている。日銀短観の結果によって株式や債権の価格が敏感に反応することから、経済動向に大きな影響力をもつ指標の1つでもある。<BR>本研究では、この日銀短観とトラック運送業界により作成されている「トラック短観」を比較分析することにより、景気判断の関連性、特にトラック短観の先行性について検討することを目的としている。
著者
林 克彦 矢野 裕児 齊藤 実
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.15, pp.153-160, 2007

本研究の目的は、荷主企業の視点から鉄道コンテナ輸送に対する評価を把握し、荷主企業のグリーロジスティクス構築に鉄道コンテナ輸送が貢献する可能性を探ることにある。荷主企業に対するアンケート調査と先進的事例のインタビュー調査により、 (1) 荷主企業にとってモーダルシフトが重要な経営課題となっていること、 (2) 多くの荷主企業が戦術的レベルで、一部先進企業が企業戦略レベルでモーダルシフトに取り組んでいること、 (3) 通運事業者とJR貨物に対し専門家として重要な役割を果たすことを期待していることがわかった。今後、荷主企業の視点に立ったグリーンロジスティクスの構築に向けて、輸送事業者と荷主企業との間で連携を進め、それぞれの役割を果たしていくことが求められている。
著者
小林 高英 苦瀬 博仁 橋本 一明
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.11, pp.121-128, 2003

人が都市で生活するためには、物資の供給が必要不可欠である。鉄道や自動車がなかった時代では、内陸部での大量の輸送物資を輸送するのに、河川による舟を利用していた。従来は、河川舟運そのものの発展と衰退や、河岸や川舟に関する研究は多いが、物流システムに着目したものは少ない。そこで本研究では、物流システムの視点から、江戸期の河川舟運の発展の背景と、輸送物資や河岸の立地の特徴を明らかにする。
著者
唐澤 豊 相浦 宣徳
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.7, pp.59-72, 1999

1970年代以降我が国のロジスティクスへの関心は急速に高まり、昨今ではサプライチェーン・マネジメントやバリューチェーン・マネジメントへと発展している。この間多くの書籍の出版を見たが、地道に学術的研究の成果を踏まえた内容の図書を探し出すのは極めて難しい。そこで本研究では、学術的研究の第1歩である欧米の文献調査を実施し、ロジスティクス理論のファンダメンタルズである活動領域に焦点を当てこれを整理すると共に、自己の経験と研究から私案の提案を試みる。
著者
江頭 幸代 岡山 正人
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.15, pp.169-176, 2007-05-28 (Released:2011-03-14)
参考文献数
13

郵政民営化に伴い、その打撃を受ける業界は、金融・保険業界そして物流業界であろう、特に、ゆうパックと宅配便は従来より市場を同じくしており、今後その競争はますます激化するものと思われる。本稿は、郵政公社 (郵便事業のみ) と宅配事業者大手3社 (ヤマト運輸、日本通運、佐川急便) の各社について、経営指標や価格・サービスなどを比較することにより郵政公社の業界での位置づけや、今後の業界の動向などについて考察した。
著者
伊藤 秀和
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.16, pp.201-208, 2008-05-28 (Released:2011-03-14)
参考文献数
9
被引用文献数
2

環境負荷低減のため、国内貨物輸送においては、トラック輸送から環境負荷の小さい内航海運や貨物鉄道へのモーダルシフトは不可欠である。本論文では、モーダルシフト進展への政策示唆のため、複数輸送経路の競合が見られる北海道発域外向け内貿ユニット化可能貨物を対象とすることで、荷主の輸送経路選択に影響を与える要因を明らかにし、その影響の程度を比較・議論することを目的とする。具体的には、物流センサス・データを用いて、離散選択モデルのひとつの手法で、近年注目されているランダム・パラメータ・ロジット・モデル (RPLM) による荷主の輸送経路選択分析を行った。その結果、長距離海運・貨物鉄道利用荷主に比べ、近距離海運・海峡フェリー航路のトラック主利用荷主の時間価値が高く、非弾力的であることが明らかとなった。また、ロット・サイズは航空利用に大きく影響することを確認した。さらに弾力性効果分析により、鉄道輸送時間短縮は他の輸送経路に比較してモーダルシフトに貢献することを、道内利用港湾アクセスが長距離海運利用のボトルネックになっていることなどを議論した。
著者
朴 映泰 禹 貞旭
出版者
JAPAN LOGISTICS SOCIETY
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.16, pp.233-240, 2008

釜山港はコンテナ取り扱い実績からみて、現在、世界5位の地位にあるが、上海、深別のような大型港湾だけでなく、天津、青島、大連などの北中国港湾においても深水港と巨大なバースが整備され、中国大陸に直接大型コンテナ船が寄航できるようになったことで、釜山港は上海港にその役割を奪われているとともに、北中国港湾向け積替え貨物が減少するなど、釜山港の利用率低下が顕在化している。本稿では、北東アジア港湾を取り巻く物流環境変化のなか、釜山港と競争関係にある北中国港湾の港湾開発計画と整備状況を中心に、釜山港開発への示唆点を導出し、今後、釜山港の持続的な成長のための釜山新港の後背物流団地の活性化方策について検討した。
著者
増田 悦夫
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.117-124, 2006-05-28 (Released:2011-08-16)
参考文献数
12

今後の配送には荷主の要望にきめ細かく対応できる高度なサービスが望まれる。モバイル通信技術の進展を考慮すると、出先の個人荷主が依頼するC2C型の配送へも積極的に対応していくことが望ましい。本論文では、小口配送システムのうち特に地理上に不特定多数が広く分布する個人荷主に対し直接集荷を行う個別集荷型配送を取り上げ、実現性について基礎検討を行った。まず、従来の巡回集荷型配送との比較を通してその特徴を示し、続いて基本的なモデルを対象にシミュレーションを行い基本的特性を明らかにするとともに実用化に向けての課題を抽出した。
著者
寺嶋 正尚 椿 広計
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.93-100, 2006-05-28 (Released:2011-08-16)
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究の目的は、スーパーマーケットにおける欠品率を推定することである。中規模食品スーパーにおける実際のデータ (販売データ、コーザルデータなど) を用いて売上予測を行うと同時に、同予測値と在庫データを照合することで、商品レベルの欠品率 (=販売機会ロス) を推定した。なお需要予測の精度を改善するために、正規の線形回帰モデルではなく、売上数量にボアソン分布を想定した対数加法モデル (GAM) の当てはめを用いた。