2 0 0 0 OA 抽象化の水準

著者
Jesper Junl 増田 泰子
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.85-91, 2008 (Released:2021-07-01)

この論文では抽象化の水準を探求する。表象的なゲームはフィクションの世界を表現するが、その世界の中でプレイヤーは一定の行動しか取れない。そのゲームのフィクションの世界を詳細に実行す るには限りがあるからだ。 本論文ではテレビゲームデザインの中心的要素としての抽象化と、プレイ中にプレイヤーが解読する ものとしての抽象化と、プレイヤーが時間をかけて作っていく一種の最適化としての抽象化を区別する。 最後に本論文では、抽象化がゲームのマジックサークルやルールそれ自体と関連し合っていることを論じる。
著者
Jose P Zagal Amy S Bruckman 増田 泰子
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.92-101, 2008 (Released:2021-07-01)

この論文は、ゲーム研究クラスの教官が貞面している課題の調査結果についての報告である。筆者は半構造化法を用いて、ゲーム研究コースの教授と講師12名に面接調査を実施した。面接は理論的カ テゴリーと命題および結論を精緻化するために書き換え、繰り返しコード化された。その結果、ゲームについて学ぶことが複数の理由によって難題となりうるということが明らかになった。たとえば、テレ ビゲームの広範な先行経験が、学生がゲームについて批判的・分析的に判断する能力を阻害することが よくある。学生たちは自分の経験と観察を明確に述べることにも困難を抱えている。手段それ自体もま た、研究への障害をもたらしている。学生たちはゲームを十分に経験するために、ゲームに習熟しなければならないが、技術上の障壁のせいで彼らに経験すべき古いゲームを与えることが難しくなっている。 この論文では、こうした難問を解決するために教官が採用している多くの解決法を説明する。現在のゲー ム研究コースにはゲーム研究者になりうる人々の多様性を制限しかねない危険があるという問題に注目を引きつけることが、本論文の結論である。