著者
矢野 裕理 内田 由紀子 増田 貴彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.464, pp.99-104, 2012-02-27

本研究では、表情認知への背景情報の影響とニート・ひきこもりリスクの関連を検討した。その結果、ニート・ひきこもりリスク高群は、中心にいるターゲット人物の表情と背景人物の表情が不一致な場合のターゲット人物の感情判断において、その判断がより背景情報に影響されており、その傾向はターゲット人物の表情がネガティブな場合に有意であった。この結果は、ニート・ひきこもりリスクの高い人々が、少なくとも複数人数でのコミュニケーション場面において、強い包括的認知傾向を持っている可能性を示唆するものである。