著者
壺阪 圭祐 島本 好平 木内 敦詞
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.113_1, 2016

<p> 文部科学省(2013)は「新しい時代にふさわしいスポーツ指導法」の確立を目指し、「スポーツ指導者の資質向上のための有識者会議」を設置した。そこでは、指導者における競技横断的な知識・技能を有するコーチング(Coaching:以下、C)の獲得が課題とされている。そこで本研究の目的は、壺阪ら(2015)によって見出されたライフスキルの獲得を促すコーチングスキルの4側面(可視化を促すC、感謝する心の育成を促すC、自発的な行動を促すC、目標達成を促すC)を指導者に求められる競技横断的なCとし、同コーチングスキルの獲得の様相を探る手がかりとして、同スキルの獲得パターンをもとに指導者を類型化することであった。対象者は関西、関東地区の中学・高校・大学年代のスポーツ指導に携わる指導者551名(男性458名、女性93名、平均年齢:41.9 ±10.9)であった(有効回答率97.5%)。大規模クラスター分析を行った結果、「自発的な行動を促すC低群(n=138)」、「可視化を促すC低群(n=116)」、「C全体低群(n=87)」、「感謝する心の育成を促すC低群(n=123)」、「可視化と目標達成を促すC高群(n=87)」の5つのクラスターに分類されることが示された。</p>
著者
除補 千可保 壺阪 圭祐 島本 好平
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.141_1, 2016

<p> 本研究は、高校生年代のアスリートを対象とし、運動部活動におけるどのような経験が、高校生アスリートのレジリエンス(Resilience:以下、R )に影響を与えるのかについて検討することを目的とした。対象は兵庫県内の高校生アスリート236名(男子147名、女子89名)(有効回答率86.8% )であった。調査内容はRを測る尺度として、小塩ら(2002)が作成した精神的復力尺度、運動部活動の経験を測る尺度として、島本・石井(2008)が作成した運動部活動経験評価尺度を用いて、2015年11月に実施した。重回帰分析にて検討を行った結果、男子学生のみにおいて、運動部活動経験の「周囲からのサポート」が、Rの「新奇性追求」に正の影響を与えていることが示された(β= .21、p< .05)。男性の脳にある脳梁は女性に比べ細いため、男性はより論理的に物事を考える傾向にある(林、2010)。そのため男性は周囲からのサポートを受けることにより、論理的に理解し、様々なことにチャレンジするという「新奇性追求」に結びついたと考えられる。女性に関しては特質した正の影響関係は見られなかった。</p>