著者
除補 千可保 壺阪 圭祐 島本 好平
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.141_1, 2016

<p> 本研究は、高校生年代のアスリートを対象とし、運動部活動におけるどのような経験が、高校生アスリートのレジリエンス(Resilience:以下、R )に影響を与えるのかについて検討することを目的とした。対象は兵庫県内の高校生アスリート236名(男子147名、女子89名)(有効回答率86.8% )であった。調査内容はRを測る尺度として、小塩ら(2002)が作成した精神的復力尺度、運動部活動の経験を測る尺度として、島本・石井(2008)が作成した運動部活動経験評価尺度を用いて、2015年11月に実施した。重回帰分析にて検討を行った結果、男子学生のみにおいて、運動部活動経験の「周囲からのサポート」が、Rの「新奇性追求」に正の影響を与えていることが示された(β= .21、p< .05)。男性の脳にある脳梁は女性に比べ細いため、男性はより論理的に物事を考える傾向にある(林、2010)。そのため男性は周囲からのサポートを受けることにより、論理的に理解し、様々なことにチャレンジするという「新奇性追求」に結びついたと考えられる。女性に関しては特質した正の影響関係は見られなかった。</p>